日本の海洋研究開発機構は10月9日、3人乗りの潜水調査船「しんかい6500」の操縦士を2人から1人に減らすことを決定した。これにより、搭乗できる研究員の数は現在の1人から2人に増える。
今月中旬に福島県と茨城県の近海で開始する海洋資源調査で、操縦士1人の形式を初めて採用する。一度の潜水でより多くの研究成果が得られる見込み。
チタン合金の球形操縦室は内径2メートルで、畳1枚分(約1.62平方メートル)の面積に3人が乗ると活動空間がなくなる。従来は操作盤が壁一面にあり、1人での操作は困難だったが、測定器や通信設備などを縮小し、操作盤を手の届く壁の上半分に集めた。操作員はタブレットPCで潜水時の位置、深さ、船内圧力などの情報を確認できるようになる。
300回以上の潜水経験を持つ海洋研究開発機構の広報担当者の田代省三氏は、「深海には広大な未知の世界があり、2人の研究員が乗ることができれば、突然現れた生物に目が行き、海底の地質を細かく観察でき、新たな発見につながる」と述べた。
「しんかい」は水深6500メートルまで潜水でき、東日本大震災後の海底の地形変化を調査したこともあり、海洋資源と深海生物の調査分野で活躍している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年10月11日