宇宙航空研究開発機構(JAXA)と欧州宇宙機関(ESA)は現地時間19日午後、米国以外で初の水星探査機2基を南米フランス領ギアナのクールー宇宙基地からアリアン5ロケットで打ち上げた。2基は上空でロケットから分離、打ち上げは成功した。7年をかけて水星に向かい、観測を実施。惑星形成の歴史や内部構造の解明を目指す。共同通信が21日に伝えた。
日欧共同の水星探査計画「ベピコロンボ」で開発された日本の探査機「みお」と欧州の「MPO」は結合したまま太陽の周りを何度も回り、徐々に速度を落としながら水星に接近する。地球と水星の直線距離は最長で約2億キロだが、到達するまでの飛行距離は約90億キロに達する。
「みお」は高さ2.4メートル、幅1.8メートルの八角柱の形をしており、15メートルまで延長可能なアンテナを搭載している。水星を周回飛行し、磁性層や稀薄な大気などの水星周辺環境を観測する。「MPO」はレーザー高度計やカメラなどを搭載しており、水星表面の地形や地表に含まれる鉱物などを調査する。観測期間は各自1年ほど。
水星は太陽系の中で最も太陽に近く、地球と同じ岩石惑星だ。地球上で観測できる期間が短く、また探査機の打ち上げには耐熱対策と多くの燃料が必要なため、観測には進展がない。これまで米国が探査機2基で観測を行っていたが、存在しないと考えられていた磁場を発見し、氷などを確認した。
今回の計画はESAが主導し、本部をフランスに置くアリアンスペースのロケットを使用した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年10月23日