日本のある鉄道会社は2015年より、恐ろしい訓練を続けていた。整備士をレール脇の溝の中に座らせ、新幹線が勢いよく通過するときの強風を近距離で体感させることで、安全意識を養うというのだ。整備士から強い反発を受け、労働組合の抗議もあり、同社はこの訓練を停止している。BBCが10月30日に伝えた。
日本は新幹線で有名で、鉄道の安全性を重視しているが、このような訓練は異常としか呼べない。この訓練を行ったのは、西日本鉄道だ。同社の200人以上の実習中の整備士は、2本のレールの間の広さ・深さ1メートル余りの溝の中に約20分ほど座る。彼らの頭上を新幹線が高速で通過する。同社によると、このような訓練により整備士が列車に慣れ、列車通過時の風速を実感できるという。しかし体験した整備士は、「非常な恐怖」を覚えている。
現場は風が非常に強く、砂利などが飛んできて怪我をする可能性がある。またリスクを犯しこのような訓練をする意義はどこにあるのかと、公然と疑問視する人も出た。「なぜこのような訓練をするのか分からない、恐怖を克服するためか?」
西日本鉄道は自社の教育について、「整備士の現場における技術と安全意識を一日も早く高めるため」と説明している。同社の新幹線は2015年に事故を起こし、高速走行中の列車から金属部品が落ちた。事故原因はボルトの緩みとみられる。同社はその後、安全教育を強化し、この訓練内容が生まれた。
しかし整備士のクレームを受け、労働組合が積極的に行動し、この訓練内容に反対した。整備士によると、彼らは昨年より西日本鉄道に停止を8回求めている。同社は現在、この恐ろしい訓練を停止し、整備士にレール脇の柵の外から列車を観察させている。同社は外部からの圧力を受け変更したことを否定し、現在の訓練方法のほうが「より効果的」としている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年11月2日