ロシア大統領府のペスコフ報道官は現地時間18日、ソ日共同宣言に戻ることは南クリル諸島(日本名・北方四島)の二島の自動的な引き渡しを意味しないと表明した。
ロシアのプーチン大統領と日本の安倍晋三首相は先ほどシンガポールで会談し、平和条約の問題について議論した。安倍氏は会談後、日本側は1956年のソ日共同宣言を基礎に平和条約交渉を再開したいと表明した。プーチン氏はこれに同意を示した。
プーチン氏はその後メディアに対して、ソ日共同宣言はソ連と日本が平和条約を締結後、南クリル諸島の二島を引き渡すとしていると表明した。
朝日新聞はその後、日本政府高官の話として次のように伝えた。安倍氏はシンガポールの会談で、ロシア側がソ日共同宣言を基礎とし歯舞・色丹の両島を日本に引き渡すならば、日本側は米軍による基地の設置を認めないと表明した。
両国首脳の上述した発言は、ロシア各界から広く注目された。
ペスコフ氏はモスクワで18日、メディアに対して「このほどさまざまな議論と憶測が生じており、島の引き渡しに関する単独協定ができたかのようだ。ところが事実は異なる」と述べた。
ペスコフ氏は、双方は妥協案を見出すことができるが、この方法が双方の国益の衝突を生むことはないと述べた。
ペスコフ氏は、日本との平和条約の締結は、両国の幅広い協力のチャンスをもたらすことから、ロシアにとって重要だと強調した。交渉中は日本の同盟国への義務、日本の対ロ制裁の支持などの問題について検討するという。
クリル諸島はロシア極東のカムチャツカ半島と日本の北海道の間に位置する。南部の歯舞、色丹、国後、択捉の四島は、日ロの係争中の島だ。四島は戦後、ロシア側に実効支配されている。
日本側はこれまで、四島返還を平和条約締結の条件としていた。しかしロシアは、これは第二次大戦の結果の再定義を求めることになると受け止めた。同問題をめぐる双方の溝が埋まらず、両国は現在も平和条約を締結していない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年11月19日