日本側の要素を見ると、日本企業は投資リスクを分散するため中国への依存を弱めている。うち中国の労働集約型産業からの撤退が顕著で、東南アジアなど人件費がより安い国・地域への移転を開始している。また近年の量的緩和策による円安で、対中投資及び中国における経営コストが拡大しており、かつ近年の中日政治関係の変化や世論の影響などが、日本の対中投資に直接影響を及ぼした。
日本の対中投資が短期間内に急増する可能性は低いが、中日関係の改善、両国の1人平均の所得の格差縮小、消費需要構造の同一化、中日経済・貿易関係の深化により、長期的に見ると日本企業の対中投資の意欲が強まる。日本企業の対中投資には依然として、拡大の大きな余地が残されている。
投資の良好なソフト・ハード環境を整え、投資の利便性を高め、日本での投資誘致を強化し、「一帯一路」イニシアチブを契機とし双方の第三国市場における協力を拡大し、中国に投資する魅力を高める。これによって中日貿易・投資のバランスのとれた安定的な発展を促す。(筆者・呉英傑 対外経済貿易大学日本研究センター研究員、教授)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年11月22日