日本の産業界と政界、ゴーン容疑者に不満
しかし記者会見後、本件への注目と疑問は日産という企業に向けられた。報道によると、今回の不正行為は社内からの密告により発覚したが、これにはゴーン容疑者らによる金銭をめぐる問題を上回る複雑な原因があった。ゴーン容疑者の逮捕は社内の権力闘争と関連しているという見方もあり、さらには日本が自動車業界の利益を守ろうとしたことが根本的な原因だと指摘する声もある。
まず、高圧的なゴーン容疑者は日産の従業員を2万人も解雇し、従業員から嫌われ、密告の時限爆弾を設置した。
次に、ゴーン容疑者は日産・三菱・ルノーを合併し世界最大の自動車メーカーにする野心を持ち、日本の産業界と日産・三菱の従業員が憤り、不安視した。「日本の自動車産業を守れ」は日本の産業界と政界の共通認識になった。これが日産の「政変」を促し、ゴーン容疑者の失墜を早めた可能性を否定できない。
長年に渡り社内ではゴーン容疑者への不満が募っていたが、その裏には日仏両国の日産の経営権争奪戦というより大きな争いがあったという分析もある。日産とルノーは互いに相手の株主となっている。ルノーは日産の筆頭株主であり、フランス政府はルノーにとって最大の株主だ。3社の会長を兼任していたゴーン容疑者の逮捕により、ルノー・日産・三菱アライアンスは根本的な調整を強いられる。日産はフランス政府に支配されるという運命から逃れられる。
ゴーン容疑者の逮捕において、検察当局・企業・メディアが緊密に連携し、事前に十分に根回しをしていたが、これは非常に意外なことであった。社内の闘争にせよ日仏政府の利益をめぐる駆け引きにせよ、司法の介入により本件は今後の日仏自動車産業活動に影響を及ぼす一大転換点になるだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年11月23日