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北東アジアの協力、制度面から取り組みを。
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平昌冬季五輪は南北の和解の旋風を巻き起こし、中日・中韓関係に顕著な改善が見られた。北東アジアの二国間・多国間関係は久々に春の暖かさを取り戻している。北東アジアの平和と協力、地域の帰属感と一体化、二国間・多国間メカニズムの模索などをめぐる、「産学官研金」の議論が日増しに活発化している。中国・モンゴル・ロシア経済回廊の建設、中日韓FTA交渉、東アジア地域包括的経済連携（RCEP）などの積極的な要素は、北東アジアの地域協力を大いに盛り上げている。
北斗アジアで地政学、安全、外交、政治の信頼が深まり、共通認識が拡大し、理解が促進されている。ところがこれとは対照的に、地域協力の制度、メカニズム、システムの構築が大幅に遅れており、各国が協力の潜在力とチャンスを掘り起こす妨げになっている。新たな好転・チャンスについて熱心に議論する際に、歯がゆい思いをするようになっている。
筆者は次の面から、各国の計画、トップの推進、企業の参加、民間の反応により、地域協力の共通認識の深化にふさわしい関連制度・地域ルールを形成することで、経済貿易・協力の二国間メカニズムの革新、多国間メカニズムの運用を促すことができると考えている。
（一）譲歩の意識により地域内の制度的な通商メカニズムの早期形成を促す。国際通商協力の歩みを見ると、いかなる通商制度も交渉から構築に至るまで、自国の基本的な利益を絶えず確保し、さらには妥協の芸術により必要な譲歩、さらには犠牲を受け入れる必要がある。中日韓FTA交渉は合意形成の重要な節目に差し掛かっており、RCEPも仮調印のラストスパート段階に入っている。二国間・多国間の譲歩により地域通商協力の制度面の進展を促す。これはあっという間に失われるチャンスであり、どれほど難しくてもこれをつかまなければならない。
（二）知恵により地域内の統一的な人材市場の早期形成を推進する。北東アジア諸国は現在、知恵の協力によるソフトパワーの形成に焦点を絞り、人材交流による競争力の構築を促し、規定の改正により影響力を確保している。同じ儒教文化圏である中日韓の影響、北東アジア諸国の地理的に近く文化と友好でつながるというメリットを利用し、越境労働移動の規制緩和を推進し、ハイエンド人材の共有を掘り下げ、シルバー・女性の社会進出の経験を参考にし、北東アジアの大学の共同設立を中心とする協力を進めている。統一的・規範的な北東アジア人材交流市場の形成が待たれる。
（三）地域内の相互補完的な受益モデルの早期形成を促す。北東アジアは国と地方、ひいては地域の提案・戦略・政策が最も集中する場であり、二国間・多国間交流の最も潜在力あふれる場でもある。「一帯一路」とユーラシア経済連合及び「草原の道」の連結、中日企業の一帯一路沿線の第三国における協力、半島新経済の地図を半島と北東アジアを結びつける協力に拡大するという韓国の提案、中露の極東における協力計画の実行により、北東アジア諸国・地方・地域連結の相互補完性と受益性が広い共通認識になる。この連結を持続的に発展させる唯一の方法は、相互補完と受益の多元化だ。北東アジアは試験田であり、実証の窓口でもある。
（四）観光・文化により画期的な協力分野の早期形成を促す。この状況下、観光・文化は北東アジアの地域協力の悪影響を弱め、地政学的リスクを効果的に軽減できる。地域一体化の帰属感・親和力・影響力を高めることができる。当面の急務となるのは、この分野の協力の枠組み化だ。北東アジア観光共同体の設立、観光自由貿易区の共同建設は、今回の協力深化が持つべき意義だ。
（五）協力と実証で地域内の波及効果を早期形成する。EU、北米自由貿易協定、ASEAN自由貿易地域などは国際社会に参考の価値ある経験、関連リスクを回避し問題を修正する参考材料を提供した。北東アジアの多国間協力は一夜にしてならずだが、推進の各段階において北東アジアの地域協力メカニズムに不可逆性を持たせることで、北東アジアの協力の模索に波及効果を持たせ、地域内の異なる社会制度・発展段階の協力に複製性を持たせる。保護主義やポピュリズムなどの内向き志向が激化しているが、今後は必然的に経済自由化の道を歩む国際社会に新たな革新の見本を打ち立てる。これは北東アジアの地域協力により多国間メカニズム、制度メカニズム、長期的かつ効果的なメカニズムを呼び覚ます重要な意義であり、人々に再び北東アジアに失望させないようにする努力の目標でもある。（筆者・笪志剛 黒竜江省社会科学院北東アジア研究所所長、研究員）
「中国網日本語版（チャイナネット）」2018年12月10日
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