日本の安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領が今年11月14日に会談し、「日ソ共同宣言」を基礎とし日露平和条約をめぐる交渉を開始することで合意した。両国首脳は今月1日、アルゼンチンのG20サミット会期中に再び会談し、平和条約・領土問題の新たな交渉枠組みを構築することを決定した。安倍氏は来年ロシアを訪問し、プーチン氏も6月に日本で開かれるG20サミットの会期中に、日本を公式訪問する可能性がある。
北東アジアにおける国際的な駆け引きのうち、日露関係がその代表格となっている。冷戦終了後、双方には二国間関係を発展させる願いがあったが、領土問題や地域・国際構造の影響を受け、日露関係に大きな進展はなかった。日露関係に影響を及ぼす要素には、主に領土問題と日米同盟がある。日本は西側陣営の一員として、ロシアと対立を続けてきた。領土問題は、最も重要な問題だ。両国の長期的な外交関係において、双方は条件を緩め領土問題を解決し、平和条約を締結しようと試みてきたが、現在も合意には至っていない。これは二国間関係の発展、地域の安全に深刻な影響を及ぼしている。
1956年に署名された日ソ共同宣言は、双方が平和条約締結後、北方四島のうち歯舞諸島と色丹島を日本に返還すると定めている。最近の日露首脳会談では、共同宣言に基づき平和条約・領土問題の交渉を展開するとされたが、これは日露関係の新たな突破口であり、両国関係の新たな発展を促進する可能性がある。2012年末に第二次安倍内閣が発足すると、積極的かつフレキシブルな対露外交を展開し、任期内の両国関係の進展を目指した。日本は西側の対露制裁に追随せず、積極的にロシアと協力を展開した。安倍氏は昨年、北方領土の共同開発、人道的措置などの新アプローチを掲げた。同時にロシアと経済協力を展開し、政治と経済を並行して推し進めるか、経済によって政治を促す対露政策の実現を試みた。ロシアも当初から「東方転向」戦略を掲げ、極東の開発など一連の政策を制定し同戦略を推進している。ロシアは近年、西側諸国からの経済制裁を受けており、日本などの東アジア諸国との関係を改善することが、その重要な外交戦略となっている。日露平和条約の交渉は、両国関係の積極的な発展の方針を固める。両国間の政治的相互信頼を強化し、さらに経済など各分野の交流を力強く推進する。