日本政府は11日、連立与党に「防衛計画の大綱」「中期防衛力整備計画」の骨子案を提出し、海上自衛隊のいずも型駆逐艦を戦闘機を搭載できる空母に改造すると明記した。その内容は連立与党から承認された。攻撃型空母を保有することで、日本が専守防衛の政策から離れ、憲法に違反する疑いがあると分析されている。「新華ネット」が伝えた。
【名称を工夫】
日本政府は18日の閣議決定を目指す防衛計画の大綱と、2019−23年までの中期防衛力整備計画の骨子案を11日、連立与党の自由民主党と公明党に提出した。
文書は「いずも型(駆逐艦)を改造」、F-35B戦闘機などの短距離離陸、垂直着陸の性能を持つ関西戦闘機の導入を明記した。
日本が保有するいずも型ヘリ搭載駆逐艦には、「いずも」と「かが」がある。規格・性能が独特であることから、「準空母」と呼ばれている。
共同通信によると、日本政府は「空母」と呼ばず「多機能のヘリコプター搭載護衛艦」と呼ぶ予定だ。
空母のほか、新たな防衛計画の大綱と中期防衛力整備計画は、日本のサイバー攻撃に対する反撃能力、周辺海域への警戒・監視能力の強化に触れており、かつ米国から長距離巡航ミサイルを導入するなどとしている。
【慎重な定義】
日本政府によると、改造後の空母は用途がさまざまで、戦闘機を搭載するだけでなく、災害時に被災者を受け入れ、負傷者や患者に医療サービスを提供する。
改造後の空母はF-35B戦闘機を搭載する。防衛省の消息筋は共同通信の記者に、空母が365日・24時間連続で(戦闘機を)搭載し続けることはなく、防衛任務の時に使用されると話した。空母は「防衛型」であり、「攻撃型」ではないという。
岩屋毅防衛大臣は11日、「絶対に攻撃型空母ではない。これは多用途を実現するため改造される護衛艦だ。任務の需要があり戦闘機を搭載しても、他国の脅威になることはない」と述べた。
日本政府は、他国に壊滅的な攻撃を行える攻撃型武器は自衛の最小限度を越えており、憲法9条の「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」という規定に違反すると判断した。
自民党と公明党は11日、改造後の空母が攻撃型ではないなどの内容を盛り込んだ文書を作成し、改造が専守防衛の範疇を超えないことを確認すると説明した。
【違憲の疑いも】
日本の軍事評論家、前田哲男氏は共同通信に対して、いずもが戦闘機を搭載する能力を持てば、国際社会はこれを攻撃型空母とみなし、日本が専守防衛の政策から外れることになると話した。日本政府の説明は現実的ではないという。
共同通信は日本が駆逐艦を改造する動機について分析した。日本が太平洋地域に持つ航空基地が少なく、防衛力を速やかに配備するためには戦闘機を搭載でき、遠洋で使用できる空母が必要だというのだ。
日本の国会は休会中。共同通信は、いずもの改造は周辺諸国の反発を招き、国会で激しい議論を起こすと予想した。日本の野党はこの動きについて、「憲法に明らかに違反する」「専守防衛政策と衝突する」と指摘している。共同通信は、敵基地を攻撃する能力を持つことが、防衛計画の大綱に盛り込まれることはないと伝えた。反対者は、この能力も同じく専守防衛に違反すると考えている。野党の関係者は共同通信の記者に、長距離巡航ミサイルの導入は、「敵基地を攻撃する能力を事実上持つことに相当する」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年12月13日