日本国内の情勢は今年、ほぼ平穏であった。記者にとってこの一年で最も印象的なのは、中日関係の安定と好転だ。ところが暖流の中には寒気も残っている。長期的な安定を目指すならば、日本側はさらに多くの誠意を示さなければならない。
今年は中国の改革開放40周年であり、中日平和友好条約締結40周年でもある。両国の総理はこの特殊な年に相互訪問を実現した。両国間のその他の交流メカニズムが再開された。ハイレベル経済対話が8年ぶりに再開され、軍幹部の相互訪問・交流プロジェクトが6年ぶりに再開された。
中日関係が正しい軌道に戻っていることを、記者は取材中に実感することができた。福井県立大学の凌星光名誉教授と谷口誠元国連大使らが昨年5月、東京の外国人記者クラブで記者会見を開き、日本が「一帯一路」の協力に加入するよう連名で呼びかけた。当時参加した記者は十数人のみだった。ところが1年後、日本の学界、経済界、メディア界は常態的に一帯一路関連の各種シンポジウムを開くようになった。参加する記者の人数が増え、質問も活気を帯びるようになった。
中日の国民間の感情にも改善があった。10月に公表された第14回「中日関係世論調査」によると、相手国に好感を持つとした比率が両国で上昇した。また中国に厳しい日本メディアにも積極的な変化が生じた。日本メディアは今年に入り、深センを熱心に報じるようになった。深センをモデルとし中国経済の活力の秘密に迫る、これは日本メディアの中国関連報道の新たな見所になった。
ところが好転の中にも影が存在する。
日本政府は12月中旬、「防衛計画の大綱」と「中期防衛力整備計画」を承認し、既存の艦艇を空母化するなど専守防衛の方針にもとる軍備拡張の内容を盛り込んだ。新たな防衛文書はさらに中国に謂れなき批判をし、冷戦的な考えが満ちている。日本側のこのようなやり方は中日関係の改善と発展、それから地域の平和・安定の大局に資さない。
中日関係は今年、氷を破り暖かさを取り戻しつつある。未来を展望し、日本側は言行一致を守り、敏感な問題で消極的な要素を積極的に取り除くことで、中日関係の長期安定を実現できる。(作者は新華社東京支社の冮冶支社長)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年12月26日