ロシアのウラジミール・プーチン大統領は22日に首都モスクワで、日本の安倍晋三首相と会談し、日ソ共同宣言を基礎とし平和条約の締結に向けた交渉を加速することで合意した。
安倍氏は2012年末の首相就任以降、プーチン氏と25回会談している。しかし一部メディアによると、両国の領土問題には「目に見える」進展がなかった。
【前途多難】
プーチン氏は安倍氏との会談後の共同記者会見で、露日は領土問題の交渉で解決策を見いださなければならないが、これは両国の国民から支持される必要があると述べた。
プーチン氏は「双方が受け入れられる解決策を見いだすため条件を整えるのは苦しい作業だ。交渉代表者が提案した解決策は、ロシアと日本の人々が受け入れられ、世論の支持を得られるものでなければならない」と述べた。
プーチン氏は、ロシアはソ連と日本が1956年に調印した日ソ共同宣言を基礎とし、交渉の流れを作ることに興味を持っていると話した。また日ソ共同宣言は「まず双方が平和条約を結ぶことを規定している」ことを強調した。
露日が係争中の島とは、国後島、択捉島、色丹島、歯舞諸島のことで、面積は計5000平方キロメートルほど。ソ連は第二次大戦末期の対日作戦でこれらの島を占領し、実効支配した。双方が領有権を主張している。領土問題は日露の平和条約締結の主な障害になっている。
安倍氏は先ほど、日ソ共同宣言に基づき日露の平和条約締結に向けた交渉を加速する意向を示した。まずロシアが二島を返還し、残りの二島は現状を維持するという目論見だ。
共同通信によると、安倍氏は色丹島と歯舞諸島の返還が約束されれば、ロシア側と平和条約を締結することを検討している。大阪府で今年6月に開かれるG20サミットで、安倍氏はプーチン氏と基本的な合意を形成しようとしている。