日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告の勾留期間が長く、待遇が劣悪というフランス側の主張について、日本の当局者は28日に「捜査は独立機関が既定の手続きに従い進めている」と述べた。
日産は同日、米証券取引委員会から調査の通知を受けたと発表した。AP通信は、これは調査がさらに続くことをほのめかしていると伝えた。
【フランス側が懸念を表明】
複数の国際メディアによると、フランスのエマニュエル・マクロン大統領は27日に記者団を前にして、ゴーン被告の勾留時間は「非常に」長く、待遇が「劣悪」であり、複数の場において日本の安倍晋三首相に懸念を伝えていると述べた。
「私は懸念しているだけだ。本件はフランス人に関わるため、基本的な体面を尊重するべきだ」
共同通信によると、安倍氏は25日にマクロン氏と電話会談した。両氏は日産とルノーが会長退任後も、「安定的な協力」を維持することを願っている。
フランス側の「懸念」について、日本の菅義偉内閣官房長官は28日、捜査は関連する流れを厳守していると述べた。「この刑事事件は独立調査機関が捜査を担当し、裁判所から許可を得るなど司法審査の既定の流れを厳守している」
共同通信によると、フランスの弁護士約50人が今月、日本側の捜査を批判する文書を仏紙『ル・モンド』に掲載した。
ゴーン被告は日産から得た50億円の報酬を隠蔽していた疑いがあり、昨年11月に東京地検特捜部から逮捕された。現在は拘置所に勾留されている。検察側はさらにに、ゴーン被告が2008年の世界金融危機で生じた個人投資の損失を日産に転嫁したと指摘している。ゴーン氏はすべての容疑を否定している。
【捜査に進展か】
日産は28日、米証券取引委員会から捜査の通知を受け、捜査に協力中と発表した。
日産側は「米証券取引委員会から通知を受けており、十分に協力している。それ以上のコメントは差し控える」と発表した。
状況に詳しい複数の消息筋は米ブルームバーグに対して、「米証券取引委員会は日産が米国の取締役に支払った報酬を調査し、その開示した情報が正確であるか、取締役が不正な収入を手にすることを防止する効果的な措置を講じていたかなどを調べる」と話した。
AP通信によると、米証券取引委員会のこの動きは、調査の範囲が日本以外に拡大する可能性を意味する。
日産は米国のミシシッピ州、テネシー州などに工場を持つ。共同通信によると、米国は日産の主力市場の一つだが、近年の競争の激化に伴い現地での新車販売台数が減少している。この状況下、米証券取引委員会が開示の内容に不適切な点を認めた場合、日産の米国における企業イメージが損なわれることになる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年1月31日