『日本経済新聞』は5月12日、JR東日本が9日に次世代新幹線試験車両「ALFA-X(アルファエックス)」をメディアに公開したと報じた。以前公開した先頭部分だけでなく、今回は10両編成の車両全体を初公開。JR東日本は北海道新幹線の札幌延伸で2030年度に実用化することをめどに、走行試験を開始する。ALFA-Xの最高時速は現在より40キロ速い360キロで、世界最速を目指す。
JR東日本の新幹線総合車両センターが公開した車両は10両編成で、長さは250メートル。車体は青みがかったシルバーを基調に、緑色のラインが入っている。「鼻」と呼ばれる新幹線の先頭車両部分は22メートルで過去最長。車両ごとに窓の大きさが異なり、窓のない車両もある。これは、窓をなくした場合に車内が静かになるかどうか、また直射日光による車内の温度上昇を検証するためである。
今回は車内を公開しなかったが、座席を通常の新幹線のようにびっしりと並べず、振動データを取得する車載システムなどを大量に設置したという。
試験車両は5月10日から東北新幹線の仙台・新青森間を走行し、夜間に週2回前後の走行試験を行う。今回の試験は2022年度までの時速360キロでの安定した走行などを検証する「第一段階」で、2022年度以降は車内サービス向上を検証する「第二段階」となる。2030年度の北海道新幹線の札幌沿線への導入に向けて新型車両の開発を推し進める。JR東日本研究開発センターの責任者の小川一路氏は、「車両の速さだけでなく、安全性や快適性なども向上した最先端の車両を目指したい」と述べた。