日本の時事通信社の4日の報道によると、元農水事務次官の熊沢英昭氏が息子を殺害した事件は社会に衝撃を与えた。世間は、川崎殺人事件と熊沢家の悲劇は、家から出ずに社会との接触を拒む日本の「引きこもり」は治安事件の根源になる可能性があることを再び映し出したとみている。政府と社会は彼らの心理状態に関心を寄せ、彼らが道をそれず、社会復帰できるよう促すべきである。
1日午後、76歳の熊沢英昭容疑者は44歳の息子・英一郎さんを包丁で刺して失血死させ、警察に自首した。東京警察庁練馬警察署の訊問に対し、かつて政府の最高職務(事務次官)に就いていた熊沢容疑者は、「先月の川崎市の20人殺傷事件が頭に浮かび、息子も真似て無差別殺人をする可能性があると思い、周囲に危害を加えないようにした」と供述した。
先週発生した川崎殺傷事件で1人の11歳小学生と30代の保護者が死亡した。日本メディアによると、51歳の岩崎隆一容疑者は80代の伯父夫婦と同居し、普段は家族と会話せず、家から出ず、仕事もしていなかった。また、熊沢家の殺人事件も引きこもりとの間で起こった事件である。これにより、「引きこもり」が再び世間から注目された。
日本メディアは、前世紀の日本の経済バブルにより、固まっていた労働構造が崩れ始め、職が見つからないまたは低ランクの仕事に就きたくない若い男性が増えて行ったと論じた。彼らは外部と接触せず、実家で親に頼って生活し、「すねかじり」や「引きこもり」と呼ばれる。彼らは日本が抱える社会問題になっている。
内閣府が今年3月に発表した調査結果によると、貧しい中年と年老いた両親が同居するケースは増え続け、40~64歳では1.45%、約61万人が「引きこもり」で、39歳以下の54万人を上回り、「引きこもりの若者」という過去の固定概念を覆した。多くの中年が退職をきっかけに心を閉ざし、人間関係または病気が原因の人も多い。中年の「引きこもり」の約4割が「悩みがあっても誰にも相談しない」という。このような外部と接触しない生活スタイルは過激な性格になりやすい。
一部の日本の社会問題専門家は、彼らが社会に受け入れられなければ、社会に反発し破壊的要因になる可能性があり、悲しむだけでなく、悲劇を作り出した原因も深く考える必要があると指摘する。また、日本政府と民間が連携し、コミュニティレベルで若い世代、特に「引きこもり」の心のケアを強化すべきという声もある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年6月5日