日本を訪れる留学生は皆、美しい夢を抱いていることだろう。この夢を叶えようとする間、もしくはその間に経験を積むことで、夢が遠くかすんで見えるようになり、さらには夢が唯一の心残りになるかもしれない。しかし、かつて夢を抱いたことは確かだ。日本新華僑報は、東京で夢を追う留学生の物語を記事にした。要旨は下記の通り。
万さんは3年前、高賃金のデザインの職を辞し、美しい夢を抱き東京を訪れた。彼は「居住者」としてこの都市を楽しもうと思っていた。複雑な手続きを終え、万さんは願いを叶えた。
2つの重いトランクを引きながら住む場所に向かった万さんは、ふと心が重くなった。そこは駅から歩いて30分の路地の中にあった。
ドアを開くと、カビ臭い匂いが漂ってきた。こうして万さんは留学生活を始めた。授業以外の時間は自由に支配できた。家で遊ぶことができなかったゲームを思う存分楽しめるようになった。このような楽しい日々は1カ月も続かなかった。万さんは「弾薬」が尽き、アルバイトを探さざるを得なくなった。ところが学校で教わる程度の日本語では面接に対応できず、連敗を喫した。
友人の友人からの紹介により、万さんは日本語を使う必要のない、ラーメン店の厨房の仕事を手にした。学校から帰るとアルバイトに出て、自宅に帰るころにはもう満天の星空だ。こうして1カ月働き手にした収入は、家賃と食費を払えばほとんど残らなかった。
そのころ、万さんは自分の選択がいい加減すぎたのではと疑うようになった。ずっと憧れていた夢はただの夢だったのだ。高層マンションに住み、ベランダの快適な椅子に座りワインを飲みながら、この都市の夜景全体を眺めたいという願いは、日本語学校で学ぶ学生にとっては遠く及ばぬ夢だった。