日本では、タクシー運転手からコンビニの店員、さらに体力労働者にいたるまで、「銀髪族」が各業界の第一線で活躍している。高齢化問題に対応するため、多くの日本企業がパワーアシストスーツなどの科学技術で銀髪族の「一臂の力」にしようと模索している。
日本は高齢化が比較的深刻な国である。総務省の2018年の統計によると、65歳以上の高齢者は3557万人に達し、総人口の28.1%を占め、過去最高を更新した。
古都の奈良にある株式会社ATOUNは、高齢者向けのパワーアシストスーツを開発している。会社がある日本風の青瓦の建物に入ると、「鋼鉄のロボットスーツ」が並んでおり、古都から未来にタイムスリップしたような感覚になる。これらのスーツはウェアラブル装置で、パワードスーツや外骨格ロボットと呼ばれる。これらは骨格の形をしたパワーアシストスーツで、センサーが内蔵されており、体の動きを感知するとアシストスーツ内のモーターが作動し、使用者の力を補助する。
同社責任者の藤本弘道氏によると、最新型のパワーアシストスーツ「モデルY」は空港や工場などの体力労働を要する場所にすでに導入されている。このスーツはY字型の設計になっており、リュックサックのように体につけ、2つのモーターがそれぞれ動き、重いものを運ぶ際に腰にかかる力を最大10キロ補助する。
歩行が不便な高齢者向けに、同社はプロトタイプ「HIMICO(ヒミコ)」を開発している。同装置は腰につけて使用し、高齢者の歩行、階段を上る、登山などをサポートし、来年の発売を予定している。
藤本弘道氏は新華社の記者に対し、「年齢、性別に関わらず、誰もが移動し、働ける社会を作り、力の障害がない社会にしたい」と話した。
別の大阪府の企業も同様のビジョンを持っている。家具メーカーのI&Cの商品「スマート家具」は使用者の身長に合わせてた傘を調整できる洗面台、食器棚、化粧台で、高齢者を含む使用者の生活中の障害を減らすことを目的としている。
同社の佐田幸夫CEOによると、同社が生産する電動昇降型の洗面台は細部にこだわっている。高さを65センチから110センチに調整し、子供から腰の曲がった高齢者まで使用でき、ボタンを押すとセンサーを内蔵した商品が高さを調整してくれる。洗面台は両側に2段式の手すりがついており、高齢者を支える役目を果たす。
佐田幸夫氏は、「高齢者介護を目的にスマート家具を開発した。関連製品は多くの介護機関に導入され、高齢者の歯磨きや洗面をサポートし、介護機関の負担を軽減している」と述べた。
佐田氏は、20年以内に世界範囲で高齢化が深刻になり、この家具が役目を果たすことを望んでいると話した。
大阪の別の科学技術企業も高齢化に対応した商品を開発している。株式会社ダイヘンは世界で真っ先に小型自動運転電車のコードレス充電の実現を促した会社である。同社の小型電動車は時速10キロでテスト路線を自動運転で1周した後、自分でコードレス充電システムのところに戻って充電する。
同社の責任者によると、このような電動車はコードレス充電を実現したが、充電システムのある所に行って充電しなければいけない。この技術が成熟したら、区間を自動運転しながら充電できるようになり、住宅地間、スーパーから家、家から駅などの「最後の1キロ」の交通に新たな解決方法を提供し、歩行が困難な高齢者や障害者の生活環境をより便利にする。
同社技術開発部の蓑毛正一郎氏は、「イメージでは、高齢者がスーパーで買い物中に駐車場で電動車が充電を終え、自分の住所を言うだけで楽に家に着くことができる。渋滞時も充電が楽にできる。これらが、2025年の大阪万博までに実現できるとよい」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年6月30日