日露首脳会談、領土問題の溝は埋まらず

日露首脳会談、領土問題の溝は埋まらず。日本の安倍晋三首相とロシアのウラジミール・プーチン大統領が29日、大阪で会談した。平和条約締結に向けた交渉を継続することで合意したが、領土問題解決の実質的な進展はなかった…

タグ:ロシア 領土 宣言 北方四島 

発信時間:2019-07-01 15:08:51 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 日本の安倍晋三首相とロシアのウラジミール・プーチン大統領が29日、大阪で会談した。平和条約締結に向けた交渉を継続することで合意したが、領土問題解決の実質的な進展はなかった。


 【特別なスケジュール】


 安倍氏とプーチン氏はG20サミット後に会談した。プーチン氏の前回の訪日は2016年12月で、2年半ぶりの訪日となった。両首脳は年初、ロシアの首都モスクワで会談していた。


 安倍氏は会談前に「1月の訪露に続き、再び(プーチン)大統領に会うことができて嬉しい」と述べた。またメディアに対して、プーチン氏と日露平和条約の締結、両国の各分野の協力推進などについて検討していきたいと表明した。プーチン氏は、平和条約を含む各種議題について安倍氏と議論したいと述べた。


 日本の外務省の高官は共同通信に対して「安倍氏はG20閉幕後にプーチン氏と会談し、特別なスケジュールとなったが、これはプーチン氏との対話に専念したかったということだ」と述べた。


 係争中の領土「北方四島」(ロシア名は「南クリル諸島」)について、安倍氏とロシア側の交渉は2013年4月まで遡ることができる。安倍氏はプーチン氏の前回の訪日を同問題解決の機会と位置づけたが、願いどおりにはならなかった。


 両氏は29日の会談後、共同記者会見に出席した。安倍氏の発言の要旨は次の通り。双方は昨年11月のシンガポールにおける首脳会談での合意内容の履行を続け、日ソ共同宣言を基礎とし日露平和条約の交渉を加速することで合意した。日本側は9月より日露経済協力関連の企業関係者の来日ビザの発給手続きを緩和する。北方四島の元住民が8月もしくは9月に専用機で四島を墓参する。早ければ今秋にも北方四島の観光やごみ処理のパイロット(試行)事業を実施する。


 プーチン氏は、双方は係争中の領土で共同経済活動を展開することについて進展を実現したと述べた。


 【残された隔たり】


 安倍氏は記者会見で、日露平和条約の締結について、「立場の隔たりを乗り越えるのは容易なことではない」と認めた。


 日ソ共同宣言は、日本とソ連が平和条約を早期締結することを定めている。締結後、ソ連は日本に四島のうち面積の狭い色丹島と歯舞諸島を引き渡すことになっている。


 共同通信によると、日本側は29日の日露首脳会談にて二島返還で方針を一致させることに期待していたが、複数回の交渉を経て最終的に断念することになった。これはロシアが日本に対して、色丹と歯舞を含む南クリル諸島の領有権がロシアにあることを認めさせようとしたからだ。


 日本と米国の安保に関する特殊な関係も、交渉の妨げになった。ロシア側は二島返還後、米国側が日米安保条約に基づき島に軍事基地を設置することを懸念している。また日本が配備する米国製のミサイル防衛システム「イージス・アショア」もロシアにとって脅威だ。


 ロシアの国営テレビは22日、プーチン氏は日本に二島を「返還するつもりはない」と述べたと報じた。


 共同通信は「安倍氏は日露首脳間の友好関係を構築することで、プーチン氏に領土問題解決の決定を促そうとしたが、この戦略は行き止まりにぶつかったようだ」と伝えた。



 「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年7月1日

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