専門家「米国に日韓紛争は解決できない」

専門家「米国に日韓紛争は解決できない」。日韓両国の貿易紛争が日増しに激化する中、ボルトン氏が両国を立て続けに訪問したのには、「重要な同盟国及び友人である日韓両国と対話をする」目的があった…

タグ:貿易 摩擦 同盟国 半導体 材料

発信時間:2019-07-30 14:21:27 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 

エスカレートし続ける日韓の角逐に、このほどまた新たな可変的要素が加わった。人民日報海外版が伝えた。


韓国・聯合ニュースによると、ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)が23日午後、在韓米軍の烏山空軍基地に到着し、2日間の訪韓を始めた。日韓両国の貿易紛争が日増しに激化する中、ボルトン氏が両国を立て続けに訪問したのには、「重要な同盟国及び友人である日韓両国と対話をする」目的があった。米国が表に出て「仲裁者」の役割を演じるのは、デビッド・スティルウェル国務次官補(アジア太平洋担当)が日韓を訪問しながら明らかな成果を得られなかったのに続くものだ。ボルトン氏の訪問が日韓の緊張を緩和し、両国間の貿易紛争解決に転機をもたらすことができるのかどうか、国際世論は注目していた。


■3カ国の同盟関係を維持


米国は当初、日韓の貿易摩擦に傍観的姿勢をとり続けてきた。だが今になって静観という中立的姿勢を改め、仲裁に入ってきたのは、どのような考えに基づくものだろうか?中国社会科学院米国研究所外交研究室の袁征主任は「1つには、日韓が協議を通じて問題を解決できなければ、貿易紛争がさらにエスカレートし、米日韓3カ国の同盟関係に影響が及ぶ恐れがある。また、米韓関係は比較的デリケートだ。韓国は日本が制裁を課した半導体材料を他のルートで補う必要があり、韓国が経済面で他国に傾く可能性を排除できない。米国はそれを望んでいない」と指摘する。


外交学院国際関係研究所の周永生教授は「トランプ氏が本心で表に出て仲裁するとは限らない。彼の言葉には隙がない。彼は米国が表に出て仲裁するには日韓両国がそう望むことが必要だとしているが、日本はまだそのような訴えをしていない。現時点で米国は一部高官を派遣したが、実質的目的については、状況を探り、各自の立場を把握するだけだ。だが、日韓の貿易紛争がエスカレートし続け、北東アジアにおける米国の利益が損なわれた場合は、米国は具体的な仲裁措置を取るかもしれない」と指摘する。


米国がどのような手段で仲裁するかについて、袁氏は「米国の利益にとっても最も有利なのは日韓両国間で仲裁役となり、適当に物事をまとめることだ。例えば韓国には日本との既存の合意を遵守し、過激な報復措置は取らないようにさせる。日本には制裁を緩和または終了させ、双方に新たな交渉を始めさせて、仲裁者としての米国の国際的地位をはっきりと示すことだ」と指摘する。


■仲裁しても完全な関係回復は困難


「日韓両国の衝突の根本的原因は経済面ではなく、第2次大戦後歴史の残した問題が解決されていないことにある」と袁氏は指摘する。「強制徴用された労働者と慰安婦への賠償問題で日韓は一致していない。日本はこうした問題はすでに賠償によって解決されており、韓国が前言を翻し、合意を破るのは受け入れられないと考えている。韓国はかつての侵略の事実に対して日本は認識も反省も不十分だと考えている。双方が引き下がらない中、歴史問題は次第に現実の政治問題へと変化してきた」。


第2次大戦時の日本による韓国人労働者強制徴用への賠償裁判、「慰安婦」被害者への賠償問題が解決されない中、今年初めに両国は「レーダー照射事件」でも言い争いを始め、元々敏感な両国関係はぎくしゃくし続けてきた。


ボルトン氏の今回の訪問で日韓関係が完全に回復するかどうかについては、否定的見解が一般的だ。


米シンクタンクCFRの日本専門家、Sheila A.Smith氏は「米国はかつて日韓関係において重要な役割を果した。だが現時点で、トランプ政権は日韓関係の仲裁に余り関心がなく、当面計画もない。日韓の政界、外交界も日韓の意見の相違を再び米側が解決することへの関心も失っているだろう」と指摘する。


「米国が介入して仲裁しても問題の根本的解決は難しく、せいぜい両同盟国間の争いを一時的に緩和するだけだろう」と袁氏は指摘する。ロイター通信が報じたように、日韓の信頼関係は回復されぬままであり、問題を起こした当事者でもない米国が、その解決者になることもないだろう。(編集NA)


「人民網日本語版」2019年7月30日

 

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