デジタル貿易、日米が未来の発言権を争奪へ

デジタル貿易、日米が未来の発言権を争奪へ。米ホワイトハウスが発表した情報によると、トランプ大統領は16日に議会に向け、数週間内に日本と貿易協定を締結する意向を伝えた。米日は関税のほか、デジタル貿易の「行政協定」についても署名する予定だ…

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発信時間:2019-10-06 09:00:00 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 米ホワイトハウスが発表した情報によると、トランプ大統領は16日に議会に向け、数週間内に日本と貿易協定を締結する意向を伝えた。米日は関税のほか、デジタル貿易の「行政協定」についても署名する予定だ。


 このサービス業及び多くの製造業の製品を含まない即席の協定は、理想的な二国間貿易交渉の成果とは言えない。言い換えるならば、日米首脳は民意に迎合し、膠着状態を打破し各自の需要を満たすため、実用主義的に「早送り」を押したと言える。しかしこれに伴うデジタル貿易の行政協定は期せずして、日米両国の重大な戦略方針を示した。つまり、デジタル貿易は未来の貨物・サービス貿易以外の競争領域になるということだ。デジタル貿易ルールを制定し、基準を推進する権利を把握した者が、未来のAIや情報技術などを主導し飛躍する権利を手にすることになる。


 デジタル貿易ルールをめぐり日米が急ピッチで進める協議、及び協力強化の裏側にはどのような戦略的な考えが隠されているのだろうか。その他の発展途上国に影響を及ぼすことはあるだろうか。筆者は、次の3つの目的が日米を結びつけると考えている。


 (一)デジタル貿易及びデジタル製品の立法を推進し、ルール制定と基準輸出を把握し、新ルールの発言権を手にし、新たな法規の制定権を把握する。新業態の競争力を求め、デジタル競争による新たな実力を形成する。


 (二)アジアのIT産業における総合力を強化する。日米両国はIT技術の発祥地・伝播者で、関連デジタル産業及びデジタル貿易のバリューチェーンの川上を占めており、かつIT産業国際化の最大の受益者となっている。デジタル貿易の非対称ルールにより、グーグル、フェイスブック、アップル、アマゾンが快進撃を続けている。日本もデータの自由で安全な流動により、自国の競争力をさらに強化するスペースを作ろうとしている。同時に米国との連動により、EU及びWTO枠組みとのデジタル貿易多国間協力を拡大しようとしている。つまり米日はデジタル貿易の最終目標を、世界最大のネットユーザー数とデジタル貿易の潜在力を持つアジアに設定していることになる。


 (三)ルール制定により競争相手の台頭をけん制する。国際的な経済の駆け引きの歴史は、業界のルールと業態の基準が経済貿易界で守るべきビジネスの法則であり、国の駆け引きの目に見える延長であることを証明している。フランスがデジタル貿易からデジタルサービス料を徴収することを求め、アジアの一部の国が音楽・映像などのデジタル製品に課税することを主張するなか、日米はデジタル貿易のルール制定で機先を制することで、自国の企業の競争力と訴求を最大限に考慮している。ところがIT新興国の発展段階と現在の水準については無視している。保護貿易主義の影がつきまとうなか、デジタル貿易で国の扉を開く。一部の新興国のIT企業は厳しいルール、技術独占、発言権の不足に直面する。


 我々は日米が多国間体制の維持に有利な全面的な貿易協定を締結し、世界のデジタル貿易及びデジタル経済の発展に向けより開放的なシグナルを発することを願う。こうすることでデジタル貿易の協力は日米の小グループのみに限られず、世界の国民生活に幸福をもたらす新たな方針を示すことができる。(筆者・笪志剛 黒竜江省社会科学院北東アジア研究所所長、研究員)


 「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年10月6日

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