日本の小型装輪ロボット「YAOKI」が2021年7月、米アストロボティック社の月着陸機「ペレグリン」に搭載され月に向かう。これは日本初の月に上陸する月面ローバーだ。米サイト「Space」が伝えた。
アストロボティックの月上陸計画は、アメリカ航空宇宙局(NASA)の商業月ペイロードサービス(CLPS)計画から資金援助を受ける。今回の飛行はペレグリンと、同船を月に送り込むユナイテッド・ローンチ・アライアンス社の新型ロケット「ヴァルカン」の初飛行となる。民間企業が開発した宇宙船が月に初上陸する可能性がある。同じくCLPSから資金援助を受けるインテュイティブ・マシーンズ社の月面着陸機「ノヴァC」も、同時期に打ち上げられる予定だ。
ペレグリンは月面に約30台のペイロードを届ける。うち14台はNASAが提供。日本のダイモン社によるYAOKIの他に、英国初の四本脚の小型機(月面ローバー)もこの月の旅に加わる。
ダイモンの中島信一郎CEOは「当社のYAOKIは100回以上のテストに合格しており、最もコンパクトだが最も効率的な車輪を持つ。100台のYAOKIを2030年まで月面に着陸させることが当社の目標だ」と表明した。
NASAはペレグリンの今回の飛行任務に7950万ドルの資金援助を行った。インテュイティブ・マシーンズの月探査初飛行任務も7700万ドルの資金援助を受けた。
NASAはCLPSが資金援助するこれらの任務を、月探査「アルテミス計画」の主な推進力としている。アルテミス計画は2024年までに宇宙飛行士を月の南極付近に送り込み、2028年に月面及びその周辺で恒久の永続的な人類の根拠地を建設する予定だ。着陸機のペイロードを使い、月の水・氷の量を調べることができる。
宇宙船の月面軟着陸を実現している国は、ソ連、米国、中国のみ。イスラエルとインドは今年、「ベレシート」と「チャンドラヤーン2号」の任務を行い4番目の国になろうとしたが、いずれも失敗に終わった。
東京に本社を置くアイスペース社は、2021年に着陸機を使いユーザーのペイロードを運び、2023年に月面ローバーを月面に送り込む計画を立てている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年10月22日