先進国が「日本化」も、来年の世界経済は衰退を回避へ

先進国が「日本化」も、来年の世界経済は衰退を回避へ。今後5−10年間の世界経済情勢について、学術界及び一般人の間では悲観ムードが漂っている。世界経済がいつ衰退に陥るかについても、熱心に議論されている…

タグ:経済 国際貿易 製造業

発信時間:2019-12-16 15:28:39 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 次に、中国と米国の来年の経済情勢はそれほど悪くならない。中米が衰退しなければ世界的な衰退が発生することはなく、世界経済が急激な低迷を迎えることもない。


 中米両国は世界経済、国際貿易、世界の直接投資などのメインエンジンで、世界経済に対して大きな影響力を持つ。国際通貨基金(IMF)の速報によると、昨年の米国の経済規模は20兆5000億ドルで世界経済の24.3%、中国は13兆4570億ドルで16%を占めた。より重要なことは、2大経済体の世界経済成長への寄与度が合計で51.7%にのぼることだ。中米に大問題が生じなければ、世界経済は緩やかな成長を維持できる。


 米国の経済は主要先進国の中で最も好調で、依然として抜きん出ている。米国の昨年の経済成長率は2.9%。IMFは今年の成長率を2.4%、連邦準備制度理事会(FRB)は2.3%と予想しており、来年は2.1%になる見通しだ。各界は今年に入り、米国が衰退に陥ることを懸念している。しかし米国は製造業が衰退するなか、力強い消費と雇用を維持している。成長率低下の流れは変わらないが、米国は衰退を回避するため政策を調整し、刺激を実施する余裕がある。


 11月に発表された最新の「OECD経済見通し」によると、世界経済の77%を占める上位16カ国の経済成長率と比べると、中国の今年の経済成長率はすべての主要大国を上回る。中国経済は来年6%前後まで減速する可能性があるが、中国経済の規模がすでに13兆ドル以上に達していることから、これほど大規模な経済が6%前後の成長を実現できれば、来年の世界経済の安定的な発展を支える重要な要素になる。


 来年は中米にいずれにとっても非常に重要だ。米国は大統領選を控えており、トランプ氏はすべての手段を惜しまず成長を維持する。これにはFRBの利下げ、個人所得税の減税などが含まれる。中国にとって来年は重要な締めくくりの年、1つ目の百年の2つの倍増の3大攻略戦を終える。中国も安定成長の措置を講じる。


 最後に、今年の貿易摩擦及び世界経済の低迷を受け、世界が理性を取り戻しつつある。大国は国際的な責任をより重視している。来年の地政学的環境が大幅に悪化することはないと信じる理由がある。またグローバル化には根本的な逆転が生じておらず、また放棄されてもいない。グローバルガバナンスの構造問題が残されているが、問題は解消中であり、具体的な問題を解消する関連メカニズムも徐々に構築されている。これも来年の経済情勢を判断する積極的な要素だ。(筆者・中国現代国際関係研究院世界経済研究所元所長)


 「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年12月16日

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