「私は人生の半分以上を中国や中国語との交流で送っている。これは深い縁で、生涯を通じ切れることはないだろう」この北京市を「第2の故郷」としている漢学者は、大阪大学言語文化研究科教授、世界漢語教学学会副会長の古川裕氏だ。
背は低いが、目が澄んでおり、快活に笑う。標準的な中国語を話す古川氏は、中国語と縁が結ばれてから40年以上になる。「この数字は、私が中国の改革開放と共に歩んだことを意味する。私は幸運だ」
大阪外国語大学で中国語を専攻していた古川氏は1978年4月に初めて、生の中国語及び中国人と接した。なぜ「生」であることを強調するのか。「私たちは日本の小中学校で李白や杜甫の漢詩、史記や論語などの中国古典名著、それから中国の歴史を学んだ。私は大学に上がってから中国語を専攻し、初めて中国人の教員を目にし、現代中国語の正確な発音を知った」それから古川氏は、中国語の人生を始めた。40年に渡り真剣に学習し、30年に渡り教育・研究を行った。
「中国語を学び、教える。中国での生活経験がなければ上達は厳しく、永遠に教科書レベルに留まるだろう」北京大学中文系で2年留学した古川氏は、当時のことをよく懐かしむ。
「傍観者である私は、中国の大きな変化、中国が世界にもたらすさまざまな影響を常に観察している」古川氏は独特な視角から、国際中国語教育の持続可能な高品質発展に常に関心を寄せ、これを推進している。
「中国語は英語のような世界共通語になるだろうか」古川氏は以前行った報告の中で、「なる」という答えを示した。「歴史的に英米両国が各分野で発展していたため、現在の英語の台頭がある。この論理に従えば、中国語は当然ながら次の世界共通語になる資格がある」