ここ最近、日本政府は中東関連の2件のことに奔走している。1つは、自衛隊の中東派遣に関する政策の話し合いで、「航行の自由の保護」のために来年1月に海上自衛隊をペルシャ湾の護衛に派遣したいと考えている。もう1つは、イランのロウハーニー大統領の12月20~21日の訪日に向け、米国とイランの激化する矛盾を仲裁したいと考えている。長期にわたり、日本は極めて混乱状態の中東の政治に介入したがらなかったが、今では積極的になっている。日本が中東に意欲を出したのはなぜか。
安倍氏の首相就任以降、特に2012年の第1次安倍内閣以降、中東は日本の外交において異なる地位にあった。2015年、安倍氏は日本の人質が過激派組織「イスラム国」に殺害された事件を機に新中東政策を発表し、中東の安全分野への投入を強化すると示した。米国が中東を避ける中、安倍政権がうってかわって中東進出を決意したのはなぜか。
まず、エネルギーと貿易の利益があるためである。日本のエネルギー消費構造のうち石油ガスは65%を占めるが、原油と天然ガスはそれぞれ80%と25%中東からの輸入に頼っている。サウジアラビア、アラブ首長国連邦、イラン、クウェート、カタール、オマーンは石油ガスが主な輸入国である。2018年の日本と中東の二国間貿易額は1160億ドルだった。今世紀の2回目の10年に入ってから、中東は不安定になり、日本の中東安定に対する懸念が高まり、安倍氏は中東の安全を日本のエネルギー安全の生命線に関わるレベルに引き上げた。
2つ目は、「船」(中東)の出港を機に、安倍氏の新外交理念を進め、中東および国際構造の激変を利用して日本の地域影響力を高めるため。中東は日本の平和憲法の規制突破になり、自衛隊を世界に進出させる最高の舞台、試金石である。海賊取り締まり、テロ取り締まり、航路の安全維持、平和維持は最高の口実になる。