日本卓球協会強化本部長、元卓球日本代表監督の宮崎義仁氏は日本の卓球関連サイトにコラムを掲載した。日本代表が中国女子の五輪出場選手を早急に把握したければ、国際大会が再開された後に、広東チーム出身で五輪金メダルを2回獲得している馬琳氏に目を光らせるべきと提案した。馬氏が徐々に中国女子コーチ陣の中心人物になっており、選手選抜の一定の発言権を持っているからだ。宮崎氏はまた、五輪の主力選手になる日本女子の伊藤美誠(19)が、来年の東京五輪女子シングルス金メダリストの最有力人物と見ている。彼女の存在により中国女子は出場選手の変更を迫られるかもしれないというのだ。
東京五輪の開催国である日本の卓球代表は、中国代表を金メダル争奪戦の最強のライバルと見ている。日本卓球協会は今年1月、男子3人・女子3人の五輪出場選手を発表していた。そのうち男子の張本智和、女子の伊藤美誠、平野美宇はいずれも20歳未満。日本卓球協会は東京五輪の1年延期が発表された後、出場選手を変えることはないと発表した。過去3回の五輪で金メダルを総なめにした中国代表はまだ出場選手を発表していない。男子は依然として馬龍、樊振東、許昕が有力視されているが、女子については未知数だ。
伊藤美誠は現在世界ランキング2位だ。過去2年間で陳夢を除く中国女子の主力選手に勝ち、中国卓球の最大のライバルとされている。昨年の女子シングルスで最も期待された駆け引きは、伊藤美誠と中国卓球「小魔王」と呼ばれる孫穎莎の若手対決だ。同じく19歳の彼女たちは互いに勝ち負けした。
宮崎氏は、伊藤美誠は中国女子に対策を強い、さらには五輪出場選手を変更させるほど強くなったと見ている。宮崎氏は、中国女子はこれまで五輪出場選手を決める際に選手の出場経験を重視しており、五輪金メダリストの丁寧、劉詩雯、それから中堅の女子世界一の陳夢という顔ぶれならば、以前は十分に五輪金メダルを獲得できたと分析。しかし五輪が1年延期となり、伊藤美誠が急台頭し、孫穎莎が五輪出場するチャンスが大きくなっているという。宮崎氏は、中国卓球協会の劉国梁会長が伊藤対策として孫穎莎を抜擢する可能性が高いと見ている。
中国女子が五輪出場選手を発表するまであと1年あるが、宮崎氏は事前に探りを入れる奇策を練った。「馬琳氏がその選手のそばに座り指導するか」を重点的に観察するというのだ。宮崎氏は、絶対的な2大主力である劉詩雯と陳夢を管理する中国卓球女子第一チームのヘッドコーチである馬琳氏が、五輪出場選手について一定の発言権を持つと考えている。昨年の世界卓球選手権大会ブダペスト大会において、劉詩雯と陳夢が女子シングルス決勝戦で戦った。馬琳氏はほっとしたが複雑な心情で、最後には我慢できず落涙し会場を後にした。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年5月30日