子供たちにお金を使わせたくないと考えた丁理事長は遠回しな言葉で何度も断ったが、彼女たちは既に決意を固めていた。 夏雨さんは日本の友人たちが最も困っている時に助けることが希望を与えると語った。「いま日本で新型肺炎が発生しているのに、私たちがどうして傍観していられるでしょうか?」
夏雨さんとクラスメイトたちが始めた募金活動は短期間で233人の卒業生からの義捐金を集めた。協会の友人は全力で彼女たちに協力し、義捐金を使って迅速にマスクを購入し、複数回に分けて日本に送れるよう取り計らった。
「彼女たちの思いやりに満ちた行動は、春蕾クラスの女子学生の親切で優しく、恩に報いようとする心の現われで、私たちは感動しました」と丁理事長は語った。
日本雲南聨誼協会はマスクを小分けに包装したのち、これまでに雲南省へ支援をしてくれた日本の友人たちに発送した。(写真=日本雲南聨誼協会提供)
丁理事長は春蕾クラスの子供たちへの支援を最初に決定した時のことを今も覚えている。
「春蕾クラスの学生はみんな雲南省の僻地に位置する少数民族の貧困地域から来た女の子たちでした。これは少数民族の子供を支援するという私たちの目標とまさしく一致していたことから、迷うことなく彼女たちへの支援を決めたのです」
丁理事長の説明によれば、プロジェクトは1対1の支援モデルで行われ、日本雲南聨誼協会の会員は学生に住宅や食事など生活上の経済的支援を提供し、毎年子供たちと手紙のやり取りを続けることで、自分が支援している子供の成長に加えて雲南省と中国に対する理解を深めているという。「また、支援を受ける子供たちにとっては、交流を通じて外の世界を知ることで、関心と思いやりの心が育まれるのです」