日本経済の根深い問題
日本経済の構造問題は長期に渡り残されたもので、アベノミクスによって無理に解消したり、1、2代の政府で解消するのは非現実的だ。日本経済は総需要と総供給の両面に深刻な問題を抱えていると言える。
総需要には通常、個人消費、設備投資、輸出が含まれる。
(一)個人消費。これは日本経済にとって極めて重要で、日本の実質GDPの約6割を占めているが、長期的に低迷している。これはまず、国内市場の拡大の余地が限られているためだ。次に、バブル崩壊後に住民の収入がほとんど増加しておらず、貯蓄率が持続的に低下しているからだ。それから高齢化が深刻で、特に富のバランスが崩れたことがある。高齢者の消費の意欲が弱まり、若者は消費に意欲的でもそのお金を持っていない。
(二)設備投資。設備投資は日本の実質GDPの約15%を占めており、需要と供給の両面で日本経済に影響を及ぼしている。設備投資の規模は、経済成長の活力と成長率や、企業の生産を拡大できるかどうかによって決まる。ところがバブル崩壊後、日本経済は低成長の状態に置かれ続け、設備投資が長期的に低迷した。設備投資が今後拡大するかは、生産能力が拡大するかどうかによって決まるが、これはまた消費と輸出が拡大するかどうかによって決まる。しかし国内の個人消費の拡大が困難で、さらに国際経済の環境悪化により輸出の拡大が難しくなっているため、日本の設備投資の拡大にはあまり期待できない。
(三)輸出。日本は輸出中心型経済で、現時点で内需拡大が困難なため輸出の重要性が増している。日本は高い生産能力を持つが、輸出は2008年のリーマンショック、現在の新型コロナウイルスなど、国際経済環境の変化の影響を受けやすい。世界の主要消費市場である欧米及び中国の経済が衝撃を受け、日本の輸出にも深刻な衝撃が生じた。
総供給には通常、労働力、資金、技術が含まれる。
(一)労働力の問題。日本は現在、深刻な少子高齢化の問題に直面しており、労働力の不足が生じ始めている。過度な高齢化は、社会保障の不足がいっそう拡大し、財政負担がいっそう不足することを意味する。労働力不足の問題を解消するため、日本は女性の雇用を拡大し、定年退職年齢を引き上げると同時に、ロボットやAIへの投資を拡大し、さらには海外からの移民受け入れを拡大している。しかしこれが奏功するかについては、今後の経過を見守る必要がある。