(二)資本の問題。日本は世界最大の債権国で、外貨準備高は1兆ドルを超え、個人金融資産は1800兆円以上にのぼる。日本企業の内部留保は460兆円以上。つまり日本は資金が不足しておらず、経済発展に用いる資金と資本に問題はないということだ。
(三)技術革新。日本の技術革新力は低くなく、基礎研究の高い実力を持つ。しかし日本は先進国を追い越す任務を終え、後発者のメリットが失われている。近年になり全要素生産性がやや向上しているが、今後の革新はさらに困難になる。これは日本経済の発展を左右する決定的な要素になる。
日本経済の未来
日本経済のこれらの根深い問題は決して、一朝一夕で解消できるものではない。アベノミクスは完璧ではなく、既存の政策措置ではまったく不十分だが、日本のバブル崩壊後では最も系統的で比較的有効な経済政策であることも確かだ。現職の菅義偉官房長官は、首相に就任すれば引き続きアベノミクスを推進し改善していく方針を明らかにした。こうすれば少なくとも経済政策の連続性を維持できる。
また総需要を見ると、日本国内市場の飽和により、外需拡大が極めて重要になっているが、中国は日本にとって最大の貿易パートナーだ。中国との経済貿易協力の強化は、日本経済にとって現実的な意義を持ち、長期的な戦略的意義もある。これについては、中米関係が緊張するなか、日本が対米・対中関係を客観的かつ理性的に処理する必要がある。(筆者・張季風 中国社会科学院日本研究所研究員)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年9月4日