大方の予想通り、菅義偉氏が自民党総裁選で岸田文雄氏と石破茂氏を破り、大差で自民党新総裁に当選した。
月曜日の投開票前、立候補者3人が施政方針を説明した。うち菅氏は最も「穏健」さが目立った。しかし実際には、3人の対中問題をめぐる政策調整の幅は小さかった。日本の今後の中国への態度は、中米関係の大環境及び現実的な条件に基づく日本の国益によっておおむね決まっている。日本は引き続き日米同盟を軸としながら中国との関係を発展させ、国益の最大化を図る。
米国は日本にとって唯一の同盟国であり、中国は日本にとって最大の貿易パートナーだ。中日に戦争勃発の現実的なリスクがなければ、日本が完全に米国一辺倒になることはなく、中国に圧力をかける米国の戦略と足並みをそろえる。当然ながら中国も近い将来に日本を「抱き込む」幻想を持つ必要はない。日本は中米の間で米日同盟に操られながら双方に配慮する立場になる。
中日関係の戦略的枠組みは今の所この通りであるが、その各時期の見え方は具体的なケースから影響を受ける。菅氏は中日には一つ一つ解消すべき数多くの問題があると述べたが、我々からすれば両国関係のリスクは日本側の機会主義の台頭の可能性にある。日本が中米関係の緊張による対中交渉の優位性を過大評価し、一連の問題をめぐり攻勢を強めることで、それらの問題を解消もしくはコントロールすることが難しくなる。