元徴用工問題、菅氏は強硬姿勢を示すことに

元徴用工問題、菅氏は強硬姿勢を示すことに。同問題で争点となるのは、日韓両国の1965年の「日韓請求権協定」の法的解釈の問題であり、日本の朝鮮半島に対する植民地支配の歴史認識問題であり…

タグ:慰安婦 問題  日韓 

発信時間:2020-10-20 14:32:46 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 共同通信は今月13日、日本政府は元徴用工問題(第二次大戦中に日本が朝鮮半島で強制徴用した元労働者への賠償問題)に進展がなければ、菅義偉首相は年内に韓国で開催される中日韓首脳会談に出席しないという立場を韓国政府に伝えたと報じた。


 元徴用工問題は慰安婦問題に続く、最近の韓日関係を急激に悪化させている最も中心的な原因だ。同問題で争点となるのは、日韓両国の1965年の「日韓請求権協定」の法的解釈の問題であり、日本の朝鮮半島に対する植民地支配の歴史認識問題であり、さらに韓国国内の「三権分立」の政治体制にも関わる。


 韓国大法院(最高裁)は2018年10月、日本企業に元徴用工に賠償金を支払うよう命じる判決を下した。これは韓日の対立をエスカレートさせる導火線になった。韓国の大邱地裁は2019年1月、新日本製鐵の韓国における一部株式を差し押さえて現金化し、元徴用工の賠償金に充てるよう命じた。今年8月になり関連手続きが始まり、差し押さえの命令が正式に発効し、韓日関係をさらに悪化させた。日本側は、両国の「日韓請求権協定」により賠償問題は「解決済み」との姿勢を崩していない。その一方で韓国側は、本件は韓国の司法による採決であり、政府は干渉できないとしている。そのため元徴用工問題をめぐる韓日の立場には大きな開きがあり、かつ慰安婦問題や独島(日本名・竹島)問題などの歴史問題が重なり、両国関係の正常な発展に深刻な影響を及ぼしている。


 菅氏は首相就任後、安倍晋三前首相の既定の対外路線を貫き、かつ元徴用工問題で強硬な立場をまったく崩していない。両国関係改善の期待は水の泡になりそうだ。表面的には元徴用工をめぐる問題だが、韓日関係は近年、さまざまな問題によって妨げられてきた。例えば昨年、日本が重要な半導体原材料の対韓輸出規制を行い、日韓両国が相手国を「ホワイトリスト」から外し、韓国が「日韓軍事情報保護協定」の延長を拒否すると表明した。これにより両国の対立がさらにエスカレートし、1965年の国交樹立後で最悪の関係になった。


 さらに日韓両国は互いに強硬な立場を貫いているが、これは国内の政治勢力の支持と世論の動向を考慮してのことだ。元徴用工や慰安婦などの歴史認識問題をめぐり、両国メディアの報道と世論の対立が非常に顕著で、客観的に評価することが難しい。特に菅氏は就任したばかりで、堅固な支持勢力を必要としているため、必然的に強硬な姿勢を示し、最初の外交の試練を順調に乗り越えようとする。


 さらに新たな問題も、日韓の対立に新たな内容をもたらした。日本は最近、トランプ米大統領によるG7を韓国を含めたG11にするという構想に反対し、さらに韓国産業通商資源部の兪明希通商交渉本部長がWHOの事務局長選に立候補することに反対している。韓国も日本に対して、日本企業の韓国における資産の現金化を開始しており、さらに日本の「明治日本の産業革命遺産」の申請に反対している。日韓関係の古い対立と新たな問題が重なり、両国関係にさまざまな食い違いが生じている。これは両国関係に影響を及ぼし、さらには国際舞台でも頻繁に不協和音を出している。中日韓の3カ国協力にも一定の影響が生じることになる。(筆者・李成日 中国社会科学院アジア太平洋・世界戦略研究院の博士)



 「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年10月20日

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