中国の孔鉉佑駐日大使は先日フジテレビの「プライムニュース」に生出演し、中日関係について全面的に語るとともに、中米関係、中国の軍事力の発展、釣魚島(日本名・尖閣諸島)など焦点となる問題について中国側の立場を明らかにした。
「中国側は釣魚島問題で国際司法裁判所への提訴を検討したことはあるか」との質問に、孔大使は「私の知る限り、そのような検討がされたことはない。釣魚島及びその附属島嶼は中国固有の領土であり、中国側が争う余地のない主権を有すということを強調しておく必要がある。釣魚島問題において中日双方は立場が異なる。双方はこの客観的事実を十分明確に認識したうえで、関係する問題を適切に扱うべきだ。中日国交正常化以来、中日双方は釣魚島問題をめぐり意思疎通を繰り返し、少なからぬ暗黙の了解と共通認識にいたった。その最も重要なものが、双方共に大局に立って摩擦や溝を扱い、情勢の激化を防ぎ、両国関係が正常な軌道からそれるのを避ける必要があるということで、これは双方にとって共通の課題であり目標でもある。釣魚島問題は領土主権に関わり、中日両国の国民感情に影響を及ぼすものであり、非常に複雑で敏感だ。だからこそ、双方は外交等のルートを通じて、静かな形で意思疎通を行うべきだ。政治的知恵を十分に発揮し、これまでの共通認識に厳格に従って、双方共に受け入れ可能な解決策を探るべきだ」と述べた。
「実際には中日は東中国海で領土主権、海洋境界の確定、資源開発など様々な問題も抱えており、その多くが短期間では解決困難だ。双方は意思疎通を強化し、共同でしっかりと危機を管理・コントロールし、不測の事態の発生を防ぎ、両国の民意の対立を煽らぬようにするべきだ。これと同時に双方は、積極的な連動をより多く行い、海洋気象、生態環境保護、海上捜索・救難、防災・減災などの分野で互恵協力を繰り広げるべきだ。日本側にこうした意向があるのなら、中国側は積極的に応じたい。こうした分野で双方には大きな協力の余地があると信じる」と述べた。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年10月19日