英誌『エコノミスト』のシンクタンクはこのほど、ポストコロナ時代に日本経済と関連する「ゾンビ化」の傾向が先進国の間で非常に普遍的になると警鐘を鳴らした。これには緩慢な成長、低い物価上昇率、膨らむ債務などが含まれる。ワクチンの登場により感染症に終止符が打たれても、先進国の「ゾンビ化」が今後数十年に渡り続く恐れがあるというのだ。
2008年の国際金融危機後、欧米諸国で量的緩和策(QE)が流行し、中央銀行のバランスシートが持続的に拡大した。2014年の欧州債務危機後、欧州各国は低成長期に入り、社会が徐々に活力を失った。ユーロ圏は2016年に先にマイナス金利時代に入った。ユーロ圏の2008−19年末までの物価上昇率は年平均1.26%のみだった。2009年から現在までの平均経済成長率は0.85%のみ。欧州経済の「日本化」の傾向が長期化しており、新型コロナウイルスというアクシデントによりこれらの問題がさらに深刻化している。
欧州のみならず、米国もコロナ禍で前代未聞の超量的緩和を実施した。3兆ドルの刺激策の後、米連邦準備制度理事会(FRB)のバランスシートが7兆ドルに急拡大した。新型コロナウイルスの発生前、日本の債務はGDPの2.4倍に膨れ上がっていた。コロナ禍の量的緩和策により、この割合が3倍に上昇する見通しだ。政府の債務拡大の現象は新興国の間にも普遍的に存在し、かつこれらの国には米ドル指数の今後の上昇に伴う債務危機のリスクが存在している。現在のデータによると、世界の債務総額は年末までに277兆ドルにのぼる見通しだ。世界のGDPは約87兆ドルのみであり、債務がGDPの3倍になる。
各国の金融政策による物価上昇刺激効果も顕著ではない。新型コロナにより、欧米諸国は人々の交流の制限及び都市封鎖と営業再開の間で揺れ動いている。生産が中断され、交通が滞り、外食・娯楽・スポーツなどの産業の需要にストップがかかっている。人々の失業率が上昇し、各世帯の所得が減少している。最終的に社会の需要が不足し、消費が減少し、全社会が未来への悲観ムードに浸っている。これらは西側諸国が「日本化」に陥る懸念を深めている。