筆者はかつて日本に留学し日本で就職後、日本での中国に関する報道に常日頃から注目してきた。そこでそのマイナス報道についていくつか特徴をまとめてみた。一つは「異質論」。中国と日本の国情は大きく異なることを無視し、イデオロギーを先行させ、社会主義の中国に「異質大国」というレッテルを貼り、日本の「常識」に合わないことは「異端」、西側の政治体制ややり方・習慣に合わないことは「独裁」と認識する。二つ目は「崩壊論」。日本で中国に関する報道といえば、中国の経済問題や社会問題の矛盾に焦点をあてて報じることが多い。本屋では、中国の「経済崩壊」や「国家分裂」を誇張した出版物が常に目立つ場所に所狭しと並べられている。三つ目は「威嚇論」。中国の釣魚島巡航の常態化、国防建設の加速に日本は特に敏感で、中国が強国になると日本の生存圏や国家安全保障が脅かされ、さらには中国が日本に対して「復讐」するという極端な見方まで出てくる――。
昨年の対中好感度の低下は、日本国内で中国の釣魚島巡航を繰り返し報道したことが原因と考えられるが、根深いところでやはり中国に対する理解が欠けているのだろう。日本は今深刻な少子高齢化の危機に直面している。若い世代の「草食系」や「無欲」が社会的な話題となり、海外留学や海外旅行をする若者も減ってきている。中国の現状を直に理解する機会がないため、マイナス報道の影響を受けやすい。そうしたことが日本人の対中好感度が良くない重要な背景としてある。
中国の発展と進歩は日本の経験から学び、日本を参考にする必要があるが、日本も中国の発展の変化を包括的に認識し、理解する必要がある。
中日関係の重要性は疑うべくもない。仲良くつきあい、相異があると認めたうえで互いの共通点を求め、ウィンウィンの提携をすることが日中両国の唯一の正しい選択といえる。中日両国のリーダーは、「新時代の要求にあった中日関係」づくりを提案したが、それにはまず双方が、時代の変化にあった相互認識を樹立する必要がある。そのために両政府はポジティブな指導を強化し、メディアやシンクタンクは客観的な研究や報道を行い、民間の各界が新時代の民間交流を大々的に展開する必要がある。そうなってようやく「近いのに親しくない」という両国の状況を徐々に変えていくことができる。日本人の対中感情を変えるにはやはり中国側の努力も欠かせないが、日本側も中国の発展の変化を正確に理解するところから自らを反省する必要がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年1月18日