作品が次々と好評を博し、外交部報道官から称賛され、番組に出演し、雑誌の表紙を飾る――日本人のドキュメンタリー監督、竹内亮さんの知名度が最近、うなぎのぼりになっている。
竹内さんは「多くの人から有名になったと言われるが、私は何も変化を感じていない」と答えた。
「私がここで暮らす理由」
茶髪のくせっ毛、流暢な中国語。南京の娘婿になった42歳の竹内さんは、ファンたちから親しみをこめて「亮おじさん」と呼ばれている。
竹内さんは2010年にドキュメンタリー「長江 天地大紀行」の撮影に加わり、中国を訪れた。中国人が日本のことをよく知らないことに気づき、中国で日本文化のドキュメンタリーを制作しようと考えた。竹内さんの一家は13年に日本から中国に引っ越し、妻の趙萍さんの故郷である南京で暮らすことになった。
竹内氏の作品は日本を紹介するほか、現在の中国を語る。
「その場所で暮らすということには、きっと深い理由があるはずだ」竹内氏が監督した一連のドキュメンタリー「私がここに住む理由」が、15年に公開された。作品は日本で暮らす中国人と中国で暮らす外国人を通じ、各国の生活と風情を紹介した。
「私がここに住む理由」は公開から5年余りになるが、すでに200話以上制作されており、現在も更新されている。
竹内氏は中国で暮らす理由について「私のドキュメンタリーが、中日両国民の相互理解を促進することが、ここで暮らす理由だった。今や私はここに友人、同僚、家族、ファンがいて、そのすべてが私がここで暮らす理由になっている」と語った。
「私の立場は非常に客観的」
感染症により、昨年は特殊な年になった。
竹内氏の短編動画「南京におけるウイルスとの戦いの現場」が昨年3月、ヤフージャパンで公開され、トップページに表示された。その後、十数言語で公開され、各国のネットユーザーから広く注目された。
会社の近くの飲食店、日常的に利用する地下鉄やネット配車、子供のオンライン授業の風景――竹内氏は自分の目とカメラで、南京市民の防疫の日常を観察・記録した。
「撮影中、中国の感染は比較的よく抑制されていた。この作品が日本の防疫の参考になればと思った」竹内氏によると、「南京におけるウイルスとの戦いの現場」の撮影が完了した後、「都市封鎖」された武漢に撮影に行こうと考えた。