小林正弘
清華大学法学博士
Genuineways.Incブランド保護顧問
1月25日、習近平国家主席はビデオ形式で開催された世界経済フォーラム(WEF)の「ダボス・アジェンダ」に北京から出席し、特別スピーチを行った。習主席は「公平・公正に基づく競争を提唱すべきで、互いに攻撃し、どちらかが倒れるまで戦う格闘技の試合ではなく、追いつ追われつともに高みを目指す陸上競技のように競い合う必要がある」と強調した。
高度にグローバル化した現代社会において、世界のどこかにコロナウィルスの火種が残っている限り、誰人にとっても本当の安心と安全は訪れない。国境を超えて世界各国が同時に被災するコロナパンデミックに対し、国家間の相互不信こそが感染対策を妨げる最大の脅威ではないだろうか。
人類がコロナウィルスの危機を克服するために必要なのは、軍事、政治、経済の競争ではなく、「どれだけ多く人びとの命を救えるか」という競争である。その意味で、習近平国家主席のスピーチは、今こそ、人類共通のゴールに向かって、深刻な脅威や課題に直面する人々を守る「人間の安全保障」の理念に立ち、各国が立場の違いを超えて「連帯」し、陸上競技のようなともに高みを目指す競争によってコロナウィルスの危機を克服することの重要性を世界の指導者に強く呼びかけるものであると思う。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年1月28日