冬季五輪に4回、夏季五輪に3回出場し、「氷と炎」の二重の試練を乗り越えた日本スポーツ界の「鉄の女」こと橋本聖子氏が18日、正式に東京五輪組織委員会の会長に就任した。女性蔑視の騒動は、最終的に1人の女性の就任で終止符を打たれた。
橋本氏は1964年の東京五輪の開幕から5日前、北海道で生まれた。名前の「聖」は五輪の聖火を指している。橋本氏は1984−96年の12年にかけ、スピードスケートと自転車の選手として、五輪出場回数が日本最多の女性選手となった。
日本メディアによると、森喜朗氏の2月3日の発言が日本全国から批判を浴び、国際的な大問題となったのは、日本社会に根強い男女不平等があるからだ。東京五輪組織委員会のみならず、24人でつくる日本オリンピック委員会(JOC)のうち女性は5人のみとなっている。森氏の差別的な発言は、JOCの女性理事増加に向けられたものだ。森氏は当時「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる。女性っていうのは競争意識が強い。誰か1人が手を挙げて言うと、自分も言わなきゃいけないと思う」と述べた。
しかしある日本メディアは、橋本氏の就任は組織委員会のメンツの問題を解消するだけだとしている。引退した森氏を就任させるほどだから、会長というポストは名誉職に過ぎないというのだ。
橋本氏は東京五輪を強く支持してきた。日本が昨年、新型コロナウイルスの感染の第2波に見舞われた当時、東京五輪開催が危ぶまれ、森氏でさえ曖昧な発言をした。ところが橋本氏は「すべての犠牲を惜しまず五輪を開催する」と表明し、人々の間では「日本全国に男が一人もいなかったのか」とため息が漏れた。
当然ながら橋本氏に物議がないわけではない。その物議も橋本氏の性格が気丈すぎるため生じた。2014年ソチ冬季五輪閉幕式後のパーティーで、代表団の団長だった橋本氏はフィギュアスケートイケメン選手の高橋大輔にキスを強要し、大騒動を引き起こした。ただし橋本氏がその後謝罪し、高橋選手もセクハラを否定したため、すぐに騒動が収束した。
何はともあれ、東京五輪の開幕まで5カ月残されている。内輪もめがついに終わり、開催に向けしっかり念入りに準備する時が来た。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年2月19日