これに対して、帝京大学経済学部の露口洋介教授は、「新型コロナ及び欧米などの国が取った一国主義と保護主義が世界経済にチャレンジをもたらすなど、多くの不利な要素が入り混じっている状況で、日中両国については多国間主義や互恵共栄の原則を堅持することから得た成果であり、実に容易なことではない」としている。
また、東京大学社会科学研究所の丸山知雄教授は、「中国は2020年に世界で唯一の経済のプラス成長を実現した国であり、これは日本の経済回復に積極的な役割を果たしている」と評価した。今後の日中協力について、丸山教授は、「今後も中国が改革を深め、開放を拡大するにつれて、両国の各分野における協力が一層深まり、より多くの成果が収められるだろう」との見解を示した。
中国の改革開放政策は40年以上にわたって実施されてきた。中日両国はほぼすべての分野で協力関係を結んでおり、その成果は世界からも注目されている。しかし、政治や経済などにはまだ懸念が残る。丸山教授が言う両国協力の将来に向けて実現するまでの過程で、中日両国がより深いレベルで政治的相互信頼や互恵協力を深め、人的・文化交流を拡大することが望まれる。
最後に「唐探3」の話に戻るが、監督は映画製作の趣旨について、「映画を通じて自由で平等な理想社会、本当の意味での人類の抱擁という感覚を期待する」と語った。さらに俳優の妻夫木聡さんは、「映画の中で中日を含めてアジア文化の融合を表現したい」と述べている。彼らの話を読み解けば、共通理念の下で真の相互理解と融合を実現させるための努力をすれば、協力は必ず成功するということだろう。中日の協力による「唐探3」の大成功が、映画館を飛び出して中日協力のすべての分野に伝わり、そこに関わる人々を励ますことになるだろう。(CRI日本語部論説員)
「中国国際放送局日本語版」2021年2月27日