日本は最近、中日関係の維持・改善・推進により新時代を切り開く善意を変え、両国関係がすでに正常化の段階に入り、北東アジア地域協力の共同促進の新たな段階に入ったことによるメリットを顧みず、欧米などの一部の西側諸国とコロナ禍及びコロナ後の「中国の脅威」の喧伝を続けている。米日の「2プラス2」会談は中国を名指しし矛先を向け、日米首脳会談の共同声明は52年ぶりに台湾に言及した。日英「2プラス2」は中国対応とインド太平洋事業で協力し、ロンドンのG7では中国の人権を大げさに誇張した。日本は欧米に合わせ暗に、もしくは公然と中国に「強硬な動き」を見せている。さらに日本は昨日従来通り、台湾が今月末のWHO総会にオブザーバー参加することを支持すると表明した。これは日本の中国に対する姿勢が、中日国交正常化以降の地理的な隣人、友好交流、経済貿易パートナー、協議の対象から、地政学的ライバル、けん制の対象、最大の脅威、世界のリスクに変わり始めていることを意味する。これには内政及び外交の動きに基づき中国と駆け引きをする日本の目論見があるが、それよりも中国に対する姿勢が時代と共に更新されず、中国に強硬姿勢を示す時代の落とし穴にはまったことが反映されている。(筆者・笪志剛黒竜江省社会科学院北東アジア研究所所長・研究員、北東アジア戦略研究院首席専門家)
(一)日本の中国に対する姿勢には終始、名状しがたい優越感が漂っている。これは日本がアジアで真っ先に産業化を実現し、西側列強の仲間入りを果たした明治維新の頃の中国への姿勢からも伺える。「産業の日本、農業の中国。海洋の日本、陸地の中国」日本は長年に渡りアジア経済のリーダーを自負してきた。隣人を工業品のダンピング先、資源入手先、原材料の略奪先、市場開発先とする利己的な目で中国と交流してきた。これは日本の中国に対する姿勢の侵略的で野蛮な性質を決めている。中国が抗戦で勝利を収め、日本が敗戦の苦しみを味わい、中国の総合的な実力が大幅に向上し、国際的な地位が以前との比ではなくなっても、日本が長期的に形成した中国への優越感が崩れていない。心理的に中国の台頭を平然と受け入れられず、中国に対する姿勢も終始、時代と共に更新できずにいる。
(二)日本の中国に対する姿勢には終始、右顧左眄の両面性がある。両面の価値により、日本の中国への姿勢は長期的に中国から金儲けをしつつ、警戒しけん制するという両面性を帯びている。中国との交流で両面性を立脚点とすることが、日本の戦略的な選択かつ現実的なニーズであることは間違いなく、小異を残して大同を求めるという見地からも非難されるべきことではない。しかし日本の両面性には最近、一辺倒の不均衡が生じている。中国に対する姿勢の柔軟性の把握と強硬な姿勢のアピールにおいて、経済界の利益を顧みず、強硬な姿勢を示す方向に狂奔している。地政学的制約と隣国との協力の判断において、友好交流の呼び声を無視し、地政学的な圧力とけん制に重きを置いている。両面性の天秤が負の側に急激に傾き、社会で中国に対する悪印象が漂い続けるなか、日本の対中交流は客観性と理性的な判断を失っている。中国に対する姿勢が、互恵とウィンウィンという時代の流れからますます遠ざかっている。