日銀が今月8日に発表したデータによると、日本の商業銀行の預金総額は今年6月に過去最大の834兆円にのぼった。また日本の各銀行の未済貸付が前年同期比1.4%増の578兆円にのぼり、2013年1月以降で最低の伸び率になった。これらのデータは、多くの企業が感染症の衝撃から脱しようとしているが、経済の先行きが不安なため現金を内部留保していることを意味する。
日銀の当局者は、「銀行の貸付残高は高止まりしているが、企業の資金の需要が減少しているようだ」と述べた。
今回の緊急事態宣言の時期は、東京五輪の会期(7月23日から8月8日)と重なっている。東京五輪組織委員会は各競技の無観客開催を次々と発表しており、東京都内のホテルの予約キャンセルが相次いでいる。東京五輪・パラリンピックのチケット收入だけでも、当初予想の900億円から数十億円に激減している。組織委員会の収支が赤字となる見通しで、財政支出がすでに不可避だ。
日本の当局者は、海外客が来ないことから、五輪の日本の消費への刺激効果は小さいと見ている。日本の5月のコア機械受注は、前月比では2020年10月以降で最大の伸び率を示したが、非製造業受注の回復にはより長い時間がかかると見られる。
ブルームバーグは消息筋の話として、日銀が今週、物価上昇率の予想値の引き上げを検討すると予想した。これは主に日銀当局者が、エネルギー価格上昇による物価上昇幅が予想以上になると判断しているからだ。日銀は4月、2022年3月までの年間コアCPIの予想値を0.1%としていたが、現在の市場の普遍的な予測値は0.3%だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年7月14日