日本が核汚染水の海洋放出計画(以下「同計画」)を決定してから、4月13日で丸1年になる。日本は同計画を実行する姿勢を崩していない。中国単独では日本の同計画を阻止できず、国際社会の力を借りる必要がある。その中で重要になるのは、日本の同計画が国際法の義務に違反することを証明することだ。そのためまず国際司法裁判所に、核汚染水の放出を違法とする助言的意見を発表するよう要請するのがより良いプランだ。(筆者・張晏瑲 大連海事大学法学院教授/段星伊 黄渤海研究院院長)
(一)要請に成功すれば、国際司法裁判所も助言的意見を発表するだろう。
(二)助言的意見の要請は中国の立証責任を弱め、利害関係者の協力を促す。中国は国際司法裁判所を通じ、韓国、朝鮮、ロシア、太平洋諸国などの利害関係者とより良く助言的意見を合わせ、情報を交換し、共に取り組むことができる。
(三)助言的意見には道義的拘束力があり、かつその後の責任追及活動を効果的に支えられる。助言的意見そのものに法的拘束力はないが、権威ある国際司法裁判所が同計画に反対する助言的意見を出し、日本がその後同計画を停止しなければ、より大きな道徳と世論の圧力にさらされる。さらに国際司法裁判所の助言的意見は国際訴訟及び仲裁を効果的に支える。重要な観点が裁判所に採用され、裁判所の論証の重要な根拠となり、その後の日本に対する責任追及の不確実性を大幅に引き下げる。
(四)助言的意見の要請は、中国の国際立法への貢献を示すことができる。助言的意見を要請することで国際法体系の整備を効果的に促進でき、かつルールを重視し、海洋運命共同利益の促進に取り組む中国の大国としての責任感を示すことができる。
当然ながら国際司法裁判所に助言的意見を要請することには、一定の限界がある。
まず、先例が乏しく、国際司法裁判所の同計画への観点を正確に予測することが困難だ。
次に、中国は国際司法裁判所に対して助言的意見を直接要請できず、利害関係国と共に国連の関連機関で助言的意見の動議を出さなければならない。
最後に、助言的意見は責任追及の代わりにならず、中国は実体の責任追及の準備をしなければならない。
そこで筆者は日本と同計画について意見交換することを提案する。これは法的救済を講じるため必要な前提となる手続きだ。
次に、韓国、ロシア、朝鮮、太平洋諸国などの同計画の利害関係者と緊密に意思疎通し、国連総会もしくはその他の国連専門機関で動議を出し、決議に向け準備を整える。
それから、科学的な証拠の収集を急ぎ、中国に有利な国際司法裁判所の助言的意見を勝ち取る。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年4月12日