ロシアとウクライナの衝突が発生すると、日本が特に強い反応を示した。日本政府が米国や欧州に追随し対露制裁を次々とエスカレートさせ、さらに一部の日本の政治家はこの機を利用し問題発言をし、機運を高め注目を集めている。彼らは現在の状況下、日本は防衛力を大幅に強化し、核兵器の発展・配備を認めるべきと言いふらす一方で、頑なに中国を巻き込み、ロシアとウクライナの衝突を利用し中国への世論の攻勢を仕掛け、「中国の脅威」を誇張・喧伝し、さらには台湾問題に介入しようとしている。(筆者・董世国 国際問題学者)
日本は今回、異様に積極的な姿勢を示しており、「火薬庫」の中に飛び込もうとまでしている。この裏にはどのような計算があるのだろうか。実際には米国や欧米との協調の維持という「伝統」は、日本側の行為の表面的な現象に過ぎない。ロシアとウクライナの衝突を地域の安全情勢と無理やり結びつけ、この機を利用し「中国の軍事的脅威」を喧伝し、自国の軍事的な縛りを緩めるという長期的な狙いを支える。これこそが日本側の深いレベルの目的だ。
しかし日本側のさまざまな言論はまったく成り立たない。日本国内のいわゆる「ウクライナ問題は日本の問題」という論調は、日本が中国侵略戦争を発動するため口実を設けようとし、「満州有事は日本有事」と叫んだことを想起させる。日本側は現在、歴史の教訓を汲み取らないばかりか、むしろ古い論調を持ち出している。周辺の隣国と国際社会はこれを強く警戒しなければならない。
日本側は、ウクライナ問題は釣魚島の海域と台湾海峡の安定と関わると称し、「決して今日のウクライナを明日の『台湾(地区)』にしてはならない」と身の程知らずなことを言っているが、これはさらに常軌を逸している。このウクライナ問題と台湾問題を結びつけて喧伝する手法は本質的に、中国国内の政治を国際的な問題とし、台湾地区を「国」とするための言葉の罠だ。ましてや甲午戦争後、日本は釣魚島を不法占拠し、台湾地区を半世紀にも渡り植民地支配した。過去の好戦的な対外侵略のさまざまな行為は、中国を含むアジアの人々に深く重い災いをもたらした。日本には台湾問題について四の五の言う資格はまったくない。中国外交部の報道官はこれについて、「台湾問題は中国のことであり、日本は関係ない」とずばりと指摘した。
地域の衝突への対応は、日本の深いレベルの葛藤を反映した。日本側は「ゼロサム」と「弱肉強食」が生存の正しい道であり、強い者にしがみつき隣国を敵視するのが国家発展の活路であると深く信じている。1930年代に九一八事変を自作自演し、現在はともすれば中国がいわゆる「潜在的脅威」であると非難し、国際的な反対を顧みず核汚染水の海洋放出を強行しようとしている。日本側のこれらの行為は、このような心理を反映している。
日本側がこのようにすれば四面楚歌に陥り、中国、韓国、朝鮮、ロシアなどとの関係を膠着状態にし、すべての周辺諸国との関係が悪いという国際的なモデルになるばかりだ。昔のことはさておき、日本は昨年4月13日に福島の核汚染水を海洋放出する間違った決定を一方的に下した。この自己中心的な措置はすべての隣国から強い反発を招き、国際社会で疑問視する声が高まった。あっという間に1周年になるが、日本は依然として各方面の懸念を見て見ぬ振りし、独断専行で準備作業を推進している。日本側がこのような隣国を敵視する姿勢を貫くならば、周辺の隣国と関係改善が可能だろうか。
「孟子」には「人を愛する者は、人恒に之を愛し、人を敬う者は人恒に之を敬す」とある。隣国を敵視する持病が何度も再発する日本が、中露を含む隣国と関係を改善するのは困難だ。今後もし米国さえ日本を顧みなくなれば、日本が隣国との関係改善を思い出したとしてももう間に合わないだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年4月13日