日本紙「東京新聞」中国総局の新貝憲弘局長がこのほど発表した、「ジョギングから見えた北京の大気汚染改善状況」と題した記事が注目されている。新貝氏は14日、北京市の建国門付近にあるカフェで『環球時報』の独占インタビューに応じ、7年ぶりに北京に戻り感じたさまざまな変化を語った。「中国人は礼儀、マナー、サービスの意識などの内面が大きく向上したようだ」
新貝氏は今年6月に再び北京を訪れた。北京駐在は2006−09年、2012−15年に続く3回目だ。1991−92年に中央民族大学で中国語を学んだ。新貝氏は14日、わずか1カ月余りで中国人の善意を感じたと述べた。これは新貝氏が外国人だからではないという。新貝氏はある日スーパーでレジに並んだ。前にいる女性は多くの商品を持っていたが、新貝氏がミネラルウォーターを1本しか持っていないのを見ると、先に譲ってくれた。
新貝氏が印象的だったのは、中国のサービス業だ。店員は接客態度への重視を強めたばかりか、細かい点で利用客のために考えられるようになったという。新貝氏は、名刺入れを北京ダックの店に忘れ、傘を別の飲食店に忘れたことがある。気づいた時にはもう見つからないだろうと思ったが、店に連絡すると、そのまま保管されていることが分かった。「こんな些細な物が2回も戻ってくるとは思わなかった」
マラソンのベテラン愛好家である新貝氏は、時間があると北京の二環路をジョギングする。新貝氏によると、7年前と比べジョギングする人が増え、道路には専門的な装備で自転車に乗る人を見るようになったという。新貝氏は、中国で「運動ブーム」が起きていることに気づいた。これは人々が健康管理を重視するようになり、観念が変わったためであり、また「中国人が生活を楽しむようになった」ためであるという。「上層の建築物を支えるのは物的基礎だ」新貝氏は、これらの変化は自ずと生じたと述べた。
「実際に中国はすでに日本を抜いている面もある」新貝氏は日本にいた頃、本や報道で中国の科学技術のイノベーションと進歩(シェアサイクル、モバイル決済、スマホだけで外出できるなど)を知っていたが、本当に中国を訪れ自ら体験することで、初めてその素晴らしさを実感できたという。日本よりも中国のフードデリバリーや配車サービスは「便利で安い」という。
中国に戻ってきた新貝氏は、社会全体に活力が満ち溢れており、若者が元気だと感じている。新貝氏は今回のインタビューを例に挙げ、「私の記事を読むとすぐに取材を申し込んできたが、日本の若者ならばそうしないだろう。彼らは予定に従い、上司から回された仕事をやりたがる」新貝氏によると、日本人の所得は過去10年で増加しておらず、貧富の格差が徐々に大きくなっている。若者の生活水準が下がり、社会がより内向き志向で保守的になっている。中国人はより成熟し、自信をつけている。
今年は中日国交正常化50周年だ。新貝氏は、険しい道を迎えた中日関係について、「コロナ後の両国の民間交流の増加が中日関係を改善することを願っている。駐在中に異なる視角から中国を掘り下げ、日本の読者に豊富で立体的な中国のエピソードを語りたい」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年7月15日