日本の改憲に2つの障害あり 近隣外交の膠着を招く

中国網日本語版  |  2022-07-15

日本の改憲に2つの障害あり 近隣外交の膠着を招く。憲法改正が決定した場合、日本はいわゆる「正常国化」と「軍事大国化」の道を早足で歩むに違いない…

タグ:憲法改正 参議院選挙 景気回復

発信時間:2022-07-15 16:42:43 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

文=楊丹志 中国人民大学国家安全研究員高級研究員

 

 このほど、日本国内の憲法改正を支持する勢力が参議院選挙で重大な勝利を収め、日本の国会はまもなく憲法改正の段取りに着手する。

 

 日本の右翼勢力は長きにわたり憲法改正を目指している。2019年、当時の首相で自民党党首だった安倍晋三氏は自衛隊の存在を日本国憲法第9条に盛り込む意向を重ねて表明し、自衛隊は「防衛の根本」だと主張し、「令和時代」の憲法に改正する決意を示した。しかし当時、安倍氏は3つの障害に直面していた。1つ目は憲法改正を主張する政治勢力は規定の参議院議席の3分の2に達しておらず、制度的な障害に直面している。2つ目は、日本の平和憲法は長年存在し、深く根付き、日本で異議がある話題であり、国民から広く支持されることは難しい。3つ目は、日本は第二次世界大戦以降、当時の侵略戦争と戦争の罪を深く反省しておらず、自衛隊の存在を日本国憲法第9条に盛り込み日本の軍事大国化の道を作れば、国際社会の懸念を引き起こし、特に日本による侵略で重大な災難を被った中国と韓国で懸念と反対が起きる。

 

 日本が憲法改正で直面した「3大障害」のうちの制度面の障害は今は存在せず、日本が憲法改正を進めるうえで都合がよいに違いない。しかし、2つ目と3つ目の障害はまだある。

 

 『日本経済新聞』が参議院選挙前に実施した調査によると、日本の有権者の関心事トップ3は景気回復、年金、医療で、安全保障と外交は5番目に多かった。一部の有権者は安倍氏への同情から憲法改正派に支持票を投じたが、憲法の内容には完全に賛同していない可能性があり、日本国民が最も関心を持つのはやはり民生問題である。

 

 そのほか、中韓両国は日本の憲法改正の内容に敏感で、特に自衛隊の条項を盛り込むことが中韓から反対されることは必然的である。日本が頑なに憲法を改正すれば、近隣との外交の膠着状態は免れない。

 

 そのため、日本は憲法改正前に起こりうる影響を全体的に考慮する必要がある。日本が憲法改正を進めても、日本国内と国際社会の圧力は憲法改正を牽制し滞らせることになるだろう。

 

 憲法改正が決定した場合、日本はいわゆる「正常国化」と「軍事大国化」の道を早足で歩むに違いない。日本は軍備建設、軍事力拡大、先進兵器の調達と開発・配備、さらには核兵器の開発を強化し、地域の安全情勢への介入を強めると見られる。米国による2.0版「インド太平洋戦略」が進む中、日本の役割がより際立つ。日本の自衛隊の職能は国土防衛に限られず、攻撃性の一面も現れるだろう。しかし対外宣伝において、日本は「地域の安全に公共商品を提供するため」の行動だと主張し続けている。


 日本は軍事力を急速に高め、さらに豊かな経済力を持ち、国際地位の急上昇につながるに違いない。国際・地域問題で強い姿勢を示し、自発的に出撃するほど、日本と周辺国の間に新たな衝突と摩擦が生じる可能性があることに警戒しなければいけない。


「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年7月15日

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