中国に逆ねじを食わせる攻撃と中傷のうち、「第二列島線」の重要な位置を占める、米軍によって「太平洋の心臓」とされているグアム島は、米国による最新のホットな喧伝内容となっている。米メディアの報道によると、米国防総省はグアム島のミサイル防衛システムを大幅に強化している。現在の防御能力では「中国による全面的なミサイル攻撃に対応できない」からだという。緊迫感を演出するため、米ミサイル防衛局長官のジョン・ヒル海軍中将は日程表を掲げ、2026年までに少なくともグアム島で一部の新たな防御能力を建設すると述べた。環球時報が伝えた。
同時によりセンセーショナルな説が、米メディアのグアム島関連の報道で頻繁に取り上げられている。「真珠湾事件のグアム島での再演を回避しなければならない」とする声が多い。これは中国人民解放軍がグアム島を「奇襲」し、島の米国の軍事力を破壊するということだ。米国防総省、FBI、CIAなどはいずれも「中国の恐ろしい話」を作る名人で、このような手段により自部門の予算を拡大することに長けている。報道によると、米国は2023会計年度予算の中で、グアム島の防御として8億9200万ドルを求めている。
また「中国がグアム島を攻撃か」という説を言いふらす「主力軍」のうち、ハドソン研究所のような保守派シンクタンクの声が大きい。同研究所が長期的に台湾民進党当局の資金援助を受けていることは公知の事実であり、その裏側には「米軍は台湾防衛に協力しなければならない」という説を支持する勢力があるかもしれない。
グアム島は米国が1898年に戦争によりスペインから奪ったもので、現在は米領だ。島には米空軍、海軍、海兵隊の基地がある。グアム島は米本土から1万キロ弱離れているが、わが台湾島からは2700キロほどしか離れていない。この位置の重要性と脆弱性はコインの裏と表のようなもので、米国が中国への戦略的圧力を強めようと企んでいる時期により顕著になっている。
米軍の配備を見ると、グアム島を中国に侵犯するための矛にしようとしているが、解放軍にとって動かぬ的となることを懸念し盾にしようと急いでいる。これは現実において大きな矛盾を生んでいる。米軍が解放軍を圧倒しようとするほど危機感が強まる。これは軍備拡張によって解消できるものでは決してなく、むしろ強めるばかりだ。
中国は米国と戦うつもりはなく、ましてや当時の日本のように宣戦布告もなく奇襲することもない。この点については米国人は安心できる。しかし米軍が本当に台湾に武力で介入しようとすれば、それは自ら中国と武力衝突することになる。我々は一切ためらわず断固として反撃する。グアム島を含む米軍基地は自ずと、解放軍の火力のカバー範囲内になる。台湾問題は完全に中国の内政であり、このようなことが本当に生じれば、それは根本的に米軍の侵略行為、中国の正当防衛だ。これは真珠湾事件の性質とは真逆だ。
グアム島が安全か否かはとどのつまり、米国がそこでどのような役割を演じようとするかにかかっている。技術的に論じると、ミサイル防衛システムはその特性により、どれほど密集しようとも迎撃の効果が限定的であることが決まっている。米軍のグアム島の強化はせいぜい気休め程度にしかならない。米国が心の不安を本当に解消しようとするならば、その方法は一つだけだ。つまり中国を挑発する考えを完全に放棄し、グアム島を「中国対抗の新たな前線」としないことだ。今や米国は頻繁に「危機のコントロール」を口にしているが、我慢できず自分で作った火薬樽のそばでマッチを擦っている。真のコントロールとはすべての火遊びの停止であることを米国は知るべきだ。
真珠湾事件は今日も多くの米国人から「国恥」とされている。昨年12月7日の真珠湾事件80周年記念日、日本の百人弱の右翼議員がこの特殊な日に靖国神社を集団参拝した。この行動の意味するところは言わずとも明らかだ。しかし中国に対しては異常に敏感で狭隘な米国は、日本のこの挑発行為を放任した。日本の右翼は戦後レジームから脱却する衝動を抑えきれなくなっているが、これこそがアジア太平洋が直面している最大のリスクの一つだ。敵を間違えた結果がどれほど深刻であるかについては、歴史がすでに多くの啓示と教訓を与えている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年8月25日