日本の福井県美浜町にある美浜原発3号機が30日、運転を再開した。過去に3号機が何度も安全事故を起こしていたことから、日本政府のこの措置は世論から猛反発を浴びた。
共同通信は30日、「関西電力は、運転開始40年を超えて再稼働し、定期検査で停止していた美浜原発3号機の原子炉を起動し、運転を再開したと発表した。順調であれば、発送電再開は9月1日を予定している」と伝えた。
美浜原発3号機は1976年12月に運転開始した。3号機は2021年6月に原子力規制委員会から承認を受け、日本で初めて運転開始40年の「寿命」を超え稼働する原子炉になった。しかし3号機は過去に何度も安全事故を起こしている。2004年8月には配管の破損により高温の蒸気が噴出する事故が発生し、5人の従業員が死亡し6人が重傷を負った。今年8月1日には炉内で放射性物質を含む水が約7トン漏れていた。しかし関西電力は環境への影響はないとしている。
岸田文雄首相は24日、今後の電力安定供給を保証するため、来夏以降に原子炉再稼働数を現在の10基から17基に追加すると発表した。原子炉の耐用年数は現在最大で60年だが、今後はこれを踏まえた上でさらに延長するという。日本メディアは、岸田氏のこの意思表示は、日本の原子力政策が重大な転換点を迎えたことを意味するとした。
原発再稼働は電力供給不足の問題を和らげるが、日本人は原発の安全問題に大きな懸念を持っている。29日付「朝日新聞」によると、福井県住民の中嶌哲演氏は、「言葉もない。福島第一原発事故の教訓を謙虚に受け止めるならば、老朽化した原発を再稼働させるべきではない」と述べた。
「現代ビジネス」は、岸田政権の原発政策の「暴走」が始まったと伝えた。既存の原発を再利用するならば、まずは福島第一原発の事故処理をほぼ完了してからにすべきだが、実際には核汚染水の海洋放出が猛反発を浴び、各地の原発の使用済み核燃料の段階的な保管空間も限界に近づいているという。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年8月31日