中蒙露天然ガスパイプラインプロジェクトに期待

中国網日本語版  |  2022-09-20

中蒙露天然ガスパイプラインプロジェクトに期待。中露天然ガスパイプラインがモンゴルを経由すれば、本国の主要天然ガス消費市場により近づき、輸送コストの面で優位性を持つほか、既存の越境天然ガスパイプラインの構成を最適化できる…

タグ:天然ガス モンゴル ロシア 輸送 コスト

発信時間:2022-09-20 16:16:01 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 中国、モンゴル、ロシアの首脳はこのほどウズベキスタンのサマルカンドで第6回会談を行った。3カ国は「中蒙露経済回廊建設計画綱要」5年間延期し、中蒙露経済回廊本線鉄道のアップグレードと発展のフィージビリティスタディを正式に開始することを確認した。さらにモンゴル経由の中露天然ガスパイプラインの敷設を積極的に推進することを決定した。これは中蒙露が「一帯一路」の共同建設を持続的に促進することを示した。ユーラシア大陸で地政学的な駆け引きが激化するなか、3カ国首脳の天然ガスパイプライン協力プロジェクトの積極的な意思表示が世界から注目されている。これは3カ国首脳の同プランへの最新の反応だ。「筆者=李超・内蒙古一帯一路研究所(ロシア・モンゴル研究所)、内蒙古社会科学院研究員補佐」

 

 中露は2006年3月に、ロシアから中国に天然ガスを供給する了解覚書に署名した。両国はさらに東西の2本の天然ガスパイプラインの建設を計画した。うち西線天然ガスパイプライン(シベリアの力2)はアルタイ地区を経由し、全長が2000キロ超にのぼると見られる。中露東線天然ガスパイプラインは2019年に正式に稼働開始したが、西線パイプラインの建設は現在も進展がない。モンゴルは近年ロシアと緊密な協力を展開しており、モンゴル経由のプランを掲げ、同パイプラインプロジェクトの参加国になろうとしている。ロシアのガスプロムは2019年12月にモンゴル政府と了解覚書に署名し、中露天然ガスパイプラインのモンゴル経由プランのフィージビリティスタディを行い、今年完了した。さらに天然ガスパイプラインプロジェクトの設計・プロジェクト調査協定に再び署名し、開始した。露蒙がモンゴル経由中露天然ガスパイプラインプロジェクトの事前研究を行い、一定の成果を手にしたことが分かる。

 

 3カ国首脳による今回の、モンゴル経由中露天然ガスパイプライン敷設プロジェクトに対する積極的な意思表示は、3カ国が同プロジェクトに関する基本的な共通認識を形成していることを示した。これは関連活動の推進に積極的な促進力を発揮する。

 

 モンゴルは長年に渡り、中露天然ガスパイプラインの経由国になる意志を示してきた。これは主に、自国の独特な地理的位置を利用し中露に利便性を提供することで「越境経済」を発展させ、隣国とつながる交通・物流・エネルギーネットワークを通じ北東アジア経済構造の中でハブの役割を演じるためだ。また首都ウランバートルの特殊な地理的環境と、バラックエリアの冬の石炭による暖房により、大気汚染が比較的深刻だ。そこでモンゴル国内では、クリーンエネルギーの使用を求める声が常に大きい。中露天然ガスパイプラインがモンゴルを経由すれば、モンゴルは同パイプラインの天然ガスの購入者になれる。これはウランバートルのクリーンなガスの大規模使用に可能性を与える。

 

 ロシアはモンゴルの上述した意向に支持を表した。ロシアは常にモンゴルの石油主要提供国だ。ガスプロムは2019年にモンゴルに第1陣の液化天然ガスを提供した。ロシアはモンゴルとのエネルギー分野の伝統的な協力を引き続き強化・拡大しようとしている。その一方でロシアとウクライナの衝突を背景とし、ロシアは天然ガスの輸出を拡大し自国経済を発展させようとしている。またアジアのエネルギー市場を開拓し掘り下げる必要性を意識しているが、モンゴル経由は中露天然ガスパイプラインプロジェクトに新プランを提供できる。

 

 中国にとって、モンゴルは土地がなだらかで、パイプラインを低コストで敷設できる。中露天然ガスパイプラインがモンゴルを経由すれば、本国の主要天然ガス消費市場により近づき、輸送コストの面で優位性を持つほか、既存の越境天然ガスパイプラインの構成を最適化できる。それと同時に一帯一路イニシアチブは、各国の資源の効率的な配置と、沿線諸国の経済・市場の急速な発展を促進することを狙いとする。2016年に発表された「中蒙露経済回廊建設計画綱要」にはすでに、天然ガスパイプラインの3カ国協力の内容が盛り込まれていた。そのため3カ国間の政治的相互信頼が深まるにつれ、モンゴル経由中露天然ガスパイプライン敷設プロジェクトの模索と推進は、中国が隣国と一帯一路を共同建設するための重要措置でもある。

 

 モンゴル経由中露天然ガスパイプライン敷設プロジェクトのさらなる推進には、同パイプラインの天然ガスの価格設定、第3国経由費用、施工・建設などの実質的な問題の解消が必要だ。そのため同プロジェクトは将来的に、3カ国が「中蒙露経済回廊建設計画綱要」を実行に移すための重点的な内容になり得る。同パイプラインが敷設されれば、3カ国の実務的で互恵の経済・貿易関係を掘り下げ、経済回廊沿線諸国の資源と地理的優位性を発展の優位性に変えることは違いない。中蒙露経済回廊の枠組み内でも天然ガスの生産・越境・使用の戦略的協力関係を形成する。3カ国はウィンウィンのエネルギープロジェクトと地域エネルギー運命共同体の形式により、中蒙露経済回廊の建設に新たな活力を注ぐ。


 「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年9月20日

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