日本の岸田文雄首相は現地時間13日、ホワイトハウスでバイデン米大統領と首脳会談を行った。メディアの情報によると、双方の会談は「防衛協力の強化」を中心に展開された。日本の中長距離高級ミサイルの調達拡大の計画や、米軍の沖縄での駐留の拡大などが議論された。さらに米国の元当局者は露骨に、「今回の日米首脳会談は中国けん制を大きな目的とする」と述べた。日米のこの消極的な動向は、国際社会の平和と発展の願いに背き、第二次大戦後に形成された国際レジームに挑戦するものだ。
岸田氏の訪問には、先月日本で安保3文書が閣議決定されたという重要な背景がある。これには防衛費の大幅な増額、「反撃能力」の構築などが含まれ、日本の戦後最大規模の軍事改革の始まりを象徴している。当然ながらこうすれば道義的な強い反発を受けることを日本が意識しているため、岸田氏の今回の歴訪は「外国人助っ人」を探すという意味合いが強い。岸田氏の今回の訪米には、3つの「手土産」があると見ることができる。まず、日米同盟関係の強化を積極的に目指すことで、米国の「インド太平洋戦略」への忠誠心を示す。次に、米国側に軍事動向と「反中の成果」を報告することで、その代わりに専守防衛の突破への支持を得る。それから、「中国の脅威」を持続的に喧伝することで、これを自国の軍拡の口実にする。
これは日米同盟の戦後70数年来の重大な調整を象徴する。日本は「堅固な盾」のみに甘んじず、「鋭利な矛」になろうとしているが、米国はこれを強く支持している。岸田氏の訪米前に、米日は外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)を開いた。双方は日本の効果的な「反撃能力」の保有を目指し協力することで合意した。岸田氏の仏伊英加米歴訪の「成果」のほぼすべてが安全協力の強化に集中しており、経済協力は目立たない場所に追いやられている。注意すべきは、この5カ国がG7メンバー国であると同時にNATO加盟国であることだ。日本が意図的にNATOを抱き込みアジア太平洋事業をかき乱そうとしていることが分かる。
多くの同盟国に安全の脅迫をし、対中戦略に協力するよう迫る米国と異なり、日本は今回自発的に議題を取り上げ、さらにはその議論をリードする役割を演じた。日本は専守防衛の原則を放棄し、平和憲法の規制を突破しようとしているが、これは本質的に見ると戦後の国際レジーム、第二次大戦の結果を覆そうとするものだ。
日本の戦略的な衝動と米国の対中戦略の私心によって双方がたちまち一致し、アジア太平洋ひいては国際社会が戦後かつてない大きなリスクに直面している。米日は「ルールを基礎とする国際秩序」を守らなければならないと再三言いふらすが、国際秩序の根幹を揺るがすことを行っている。国際社会は日本のこの動向に警戒し、かつ強い道義的な圧力をかけるべきだ。これが戦後秩序の安定や、アジア太平洋の平和と発展の局面が根本的に損なわれるか否かと関わるからだ。
一部の米メディアは日本に強くなり、第二次大戦の「陰」から抜け出すよう唆している。実際には日本は戦後の約束を守り、真剣に反省し、実際の行動によりアジアの隣国から信頼を得ることで、初めて第二次大戦の「陰」から抜け出すことができる。日本は70年以上に渡り敗戦のわだかまりを抱えているが、これはその葛藤の根源になっている。この葛藤は、協力を望み対抗に反対する地域諸国の共通認識と相容れない。協力の高地であるアジア太平洋で真の力を持つのはいわゆる「矛」や「盾」ではなく、平和と発展への普遍的な願いであることを日本は理解するべきだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年1月16日