(五)国際法は先例のない汚染物排出活動について、「予防の原則」に基づく慎重な実施を求めている。「国連海洋法条約」の192条は、締約国の海洋環境保護・保全の義務を定め、第195条は各国が汚染対策を行う際に、汚染をある地域から別の地域に移してはならないことを明確にした。福島核汚染水の海洋放出には国際的な先例がない。国際法の「予防の原則」によると、活動が公衆もしくは環境に修復不可能な損失をもたらす恐れがある場合、十分な科学的根拠がないことを口実とし、コスト効果に合致する予防措置を遅らせてはならない。日本政府は処理済みの汚染水を意図的に正常な原発が放出する水と混同しているが、これは耳目を混乱させ、国際法の関連原則の適用を無視するためだ。(筆者=余敏友 武漢大学国際法教授、中国国境・海洋研究院院長/厳興 広州粤港澳大湾区研究院研究員)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年7月6日