国際原子力機関(IAEA)は4日、日本の福島核汚染水処置総合評価報告書を発表し、日本の核汚染水海洋放出計画は全体的に国際安全基準に合致するとの見方を示した。この結論は世論を騒然とさせた。
IAEAの「多核種除去設備(ALPS)処理水」海洋放出問題評価タスクフォースに参加した中国の専門家、中国原子力科学研究院の劉森林研究員は6日、「環球時報」に報告書発表の内幕を明かした。「この報告書はグロッシ事務局長の名義で発表された。IAEA事務局は発表前に報告書の草案についてタスクフォースの専門家の意見を求めたが、専門家に残された期限は非常に短く、しかも専門家の意見は参考に留まり、採用はIAEA事務局が決定するとのことだった。IAEA事務局は意見を受けた後、専門家と報告書の修正や意見採用状況などについて議論し一致に至ることはなく、慌ただしく報告書を発表した。私はこれに遺憾の意を表する」
IAEAが今回慌ただしく発表した報告書について、ある匿名の業界関係者は6日「環球時報」に、「IAEAの評価結果を見ると、その立場は明らかに日本寄りだ。これには2つの理由がある。IAEAは確かに、福島核汚染水の問題を早急に解消しようとしている。これは、原子力の平和的な利用に取り組み、世界で原子力の開発をさらに進めることがその主旨だからだ。福島核汚染水処置問題が懸案となり、福島原発全体の核汚染対策に進展がなければ、必然的に世界の原子力開発に悪影響が及ぶことになる。また、日本がIAEAにおいて強い影響力を持つことも無視できない。我々が得ている情報によると、IAEAで在職中の日本人が比較的多く、過去10年に渡りこの傾向が見られる。日本政府は同問題に積極的で、一部の専門家もしくは顧問がIAEAに就任するかサービスを提供するため自腹を切る。日本はこうすることでIAEAにおける影響力と発言権を拡大した」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年7月7日