研究者:高所得国となった中国でいかに高齢者社会を迎えるべきか

研究者:高所得国となった中国でいかに高齢者社会を迎えるべきか。

タグ: 高所得国,中国,高齢者社会

発信時間: 2016-07-23 10:32:32 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 現在、世界には2つの主要な老後保障モデルがある。すなわち「家での老後」と「施設での老後」だ。国際的に見ると、世界において「家での老後」が主流となっている。アメリカとヨーロッパですら「施設での老後」を選択する人は1割に満たない。高所得国になると、中国の老後施設の割合も増加すると見られる。とはいえ、依然として「家での老後」が主流となるだろう。また、中国には比較的特殊な老後保障モデルがある。すなわち「地域コミュニティでの老後」だ。中国の伝統文化は近所との交流が重視されるし、さらに町内会組織もある。高齢化の過程においてコミュニティの活用が期待される。たとえば、訪問介護や通所介護などの機能である。

 結論を言えば、中国では今後も長い期間にわたり「家での老後」が主流の老後保障モデルとなるだろう。政府が政策設計をする際は、「家での老後」に対応したサービスの供給に注力するべきであり、全般的な介護サービスの供給力を高めるべきである。

 最大の柱となる年金保険制度は、第18回三中全会の改革方向に沿って進めていくべきである。つまり、社会が集めた年金と個人による年金を結合させた基本年金保険制度を堅持すべきだ。そして個人年金制度を完備させ、健全な支援システムを多数作り、受給者の権益を確保し、バランスの取れた採算性を維持し、全国的に統一された計画を実現させるべきである。これらの改革が、中国の老後保障制度の将来の健全性を左右するものとなる。

 多層的な老後保障制度を発展させるために、第二の柱である企業年金を発展させるとともに第三の柱である個人年金の税制優遇制度を早急に構築すべきである。中国の企業年金が正式に始まってからちょうど10年になる。しかし、今のところ2300万人が加入しているにすぎず、基本年金加入者の10%にも満たない状況にある。第三の柱においては、遅延型商業年金保険が2007年に始まると言ってから10年近く経つが、その歩みは遅い。その原因は制度設計と関係がある。企業年金制度は設計のハードルが高すぎるため、普及するのが容易ではない。第三の柱の設計に関しては、まだ共通認識に達しておらず、改革の進捗が遅れている。

 これらを解決するためにどうするべきか。第一に、老後保障制度モデルを選択する必要がある。老後モデルは、主にヨーロッパモデルとアメリカモデルがある。結論から言えば中国はアメリカモデルが相応しい。しかし制度設計においてはヨーロッパモデルのいい部分を取り入れるべきである。第二に、高齢者サービス体系を構築・完備することである。お金を持った後、サービスをきちんと買えるかどうかの問題を解決させるべきだ。ポイントは政府と市場の関係をうまく処理することである。

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年7月23日

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