自分が住む住宅地から新型肺炎感染者が出たかどうか、携帯電話で確認できる
地図アプリが防疫「保護圏」開設
地図アプリで近所の発熱診察所、公共交通機関の混雑状況、感染症流行の最新状況を検索できる。防疫期間、地図などのアプリはナビゲーションサービスを提供するだけでなく、利用する移動ルートの利点も把握し、感染症抑制において重要な役割を果たしている。
周辺の感染流行状態が一目瞭然
1週間前、山東省の実家から北京に戻る準備をしていた李穎さんは、自分がよく使用している百度地図に「疫情小区」という機能があることに気づいた。北京の自宅付近から新型肺炎感染者または疑いのある人が出たかどうか気になっていた彼女は、「疫情小区」で検索して安心した。
李穎さんによると、「疫情小区」は新型肺炎感染者が出た場所だけでなく、自分がいる場所からの距離、周辺の人が密集する場所も表示している。彼女はこれを参考にし、感染者が出た人の密集地を避け、自己防護を行い、交差感染のリスクを最小限にするなどできる。
感染症抑制において、多くのインターネット企業が自社の技術面の優位性を生かして住宅地防疫アプリを開発し、ユーザーの自己防護をサポートしている。また、百度の「疫情小区」地図はデータソースを説明する注意欄を増やし、ユーザーがデータソース情報を把握し、感染症予防の判断をしやすいようにした。
騰訊地図もアプリに「疫情小区地図」機能を増やし、携帯電話の位置情報をもとに周辺の感染流行状況と外出時に役立つ情報を把握できるようにしている。住宅地の感染症抑制は感染の拡散と蔓延を防ぐ重要な部分であり、百度地図や騰訊地図などの関連機能は住宅地に感染症抑制の参考となる全面的な情報を提供する。
混雑指数を3色で表示
職場復帰する人が増えるにつれ、主な通勤手段の1つである地下鉄の混雑状況は注目を集め、多くの人が密閉された地下鉄での交差感染リスクを懸念している。
2月12日、高徳地図は地下鉄満載状況検索機能を増やした。データは北京市交通委員会が提供し、市内すべての地下鉄線と駅をカバーし、ユーザーは最新版の高徳地図で地下鉄の乗客密集度を検索できる。
記者が高徳地図に2つの地下鉄駅間のルートを入力すると、地下鉄混雑度は「1」だった。混雑度最大は「5」で、携帯電話の電波のように表示される。ここから、記者が入力した地下鉄ルートの乗客は多くなく、比較的安全だとわかる。また、ツール欄で「地下鉄図」を選ぶと、市内全ての地下鉄線の現在の満載状況を確認でき、赤、黄、緑で混雑の度合いを色分けし、ユーザーが移動手段を検索・選択しやすいようになっている。
北京地下鉄会社は最近、公式サイト、WeChatPay公式アカウント、携帯電話の関連機能をグレードアップし、満載率検索機能を増やした。乗客は車両の現在の満載率を確認し、これをもとにルートを決めることができる。
ビッグデータが安全な交通移動に助力
新型コロナウイルス関連肺炎が流行してから、ビッグデータ資源を持つ多くの地図アプリが感染症予防に役立つ交通ガイドラインを迅速に開発し、ユーザーの非常時の外出ニーズを満たし、政府部門にも参考価値のある情報を提供している。
新型肺炎が流行してすぐに、高徳地図、騰訊地図、百度地図などの有名地図アプリは「新型コロナウイルス肺炎流行情報」関連ページを開設し、メインページの目立つ位置に置いた。新型肺炎のページに入ると、感染の最新状況の確認、地図アプリを使った交通情報、感染症流行期間の交通規制に関する情報の閲覧ができ、ユーザーはより安全な移動ルートを選択することができる。
また、「発熱診察検索」「マイカー移動」「公共交通」「同乗情報検索」「各国の入国最新政策」「感染流行の防護注意」など、各地図アプリは防疫に役立つ様々な機能を開発し、情報は全面的カバーを実現し、ユーザーの情報取得を便利にした。
流行の最新状況を可視化することで、ユーザーは事前に備えることができる。同乗情報の検索機能を使用すれば潜在的な感染リスクを排除でき、付近の発熱診察検索機能があれば指定病院にすぐに行き、早急な検査、治療を受けることができる。多くの感染症予防に役立つ情報があれば、ユーザーはより科学的かつ合理的に移動ルートを決めることができる。
地図アプリのビッグデータを通し、政府機関も人口移動状況を把握し、事前予測、抑制プランの制定を早くに行い、的確な重点観測を実現できる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2020年2月19日